リスティング広告
2018.10.16 (火)
リスティング広告で入札?その仕組みとは
インターネットを使用しているならば、誰もが一度は目にしたことがあるのがこの「リスティング広告」。1クリックごとに広告を掲載するための入札がおこなわれているというリスティング広告と、その入札の仕組みについてご紹介します。
▼目次
広告(検索連動型広告)の特徴
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード検索をおこなった際、そのキーワードに基づいて優先的に表示される広告です。検索結果と連動し配信される広告ということから「検索連動型広告」とも言われています。
このリスティング広告とは、オーガニック検索(キーワード検索)による検索結果とは違い、記事の質とは関係なく安定的にランディングページを掲載することができるため、いまや広告業界では欠かせないシステムとなっています。
リスティングのメリットとしては、
- 特定のキーワードに関心のある検索ユーザーを狙って広告掲載ができる
- 予算が少なくても掲載が可能
- 顕在層と潜在層の両方にアピールすることができる
ということが挙げられ、テキスト広告、画像広告など、さまざまな方法でターゲットにアプローチすることができます。
リスティング広告における入札ってなに?
リスティング広告は、各広告に設定された入札価格をもとに広告掲載枠をかけてオークションをし、落札できた広告がその広告枠へと掲載されます。
リスティング広告において、入札とは広告を掲載するための核システムになるので、しっかりと覚えていきましょう。
リスティング広告の流れと入札の仕組み
それでは一体、リスティング広告の入札とはどのようにしておこなわれるのでしょうか?決して難しい工程はありませんので、これからリスティング広告を運用しようとお考えの方は、参考にしてみてください。
①キーワード入稿と入札単価、広告の設定
リスティング広告を掲載するには、まず広告の入稿からはじまります。このキーワード入稿と入札単価を「必ず」設定する必要があります。
入稿するキーワードは、どういったキーワードで検索された時に広告を表示するかを決める重要なキーワードです。入札単価は、広告がクリックされるたびに発生する費用で、これもリスティング広告を運用するのに不可欠なものです。
②検索ユーザーが検索したキーワードと、入稿したキーワードが一致
検索エンジンでユーザーが検索したキーワードと、入稿したキーワードが一致すると、広告が表示されます。この時点ではどの広告が掲載されるか決まっておらず、広告を表示するためのオークションが発生します。
③広告枠をかけて入札が発生
アクションのあった広告枠に広告を表示させるために、オークション形式での入札が発生します。ここで重要になるのが、キーワードを入稿する際に設定した入札単価で、このあらかじめ設定された入札単価に基づいて落札順位が決定し、広告が掲載されます。
リスティング広告は落札順位によって広告が表示されており、入札単価が高ければ上位に表示されるというわけではないため、キーワードによっては低予算でも上位に広告が表示できるというメリットがあるのです。
④設定した入札単価に基づき、広告枠を落札した広告が表示される
入札が行われ落札順位が決定すると、落札順位どおりに優先的に広告が掲載される仕組みです。
ここまでが、リスティング広告が掲載されるまでの大まかな流れと、入札の仕組みになっています。
リスティング広告における入札の仕組み
入札の仕組みは複雑そうに感じますが、仕組み自体はいたって単純。リスティング広告運用初心者の方にも分かりやすく簡単に説明していきます。
①まず初めに、広告枠のあるメディアページにユーザーが訪問し、インプレッションが発生
↓
②すると、該当するキーワードが設定された広告に入札リクエストが届きます
↓
③インプレションの発生した広告枠への広告掲載を希望する広告主から入札が行われ、オークションにより入札最高額が決定
↓
④そして、最も入札額が高かった広告が、インプレッションのあった広告枠へ掲載されます
という流れになります。
広告の入札から掲載までの仕組みはこのようになっています。厳密にいえば、SSPやDSPといった仲介システムなどが存在します。
1クリックごとに発生する広告費がほとんど
検索ユーザーからアクションのあった広告枠に広告を掲載するためにおこなわれる「入札」ですが、この入札はほとんどの場合1クリックごとにおこなわれています。
リスティング広告は大きく
- 広告表示ごとに費用が課金されるインプレッション単価制
- 設定したコンバージョン単価をもとに入札単価が自動的に調整される目標コンバージョン単価制
- 1クリックごとに費用が発生するクリック単価制(いわゆるPPC広告)
に分けられます。
クリックされていなくても広告が掲載されるだけで課金されるインプレッション単価制と違い、目標コンバージョン単価は管理が難しく、ほとんどがクリック単価制である場合が多いです。
リスティング広告に関する用語って?
リスティング広告を運用するにあたり、非常に多くの用語が出てきますよね。広告の運用を始めたばかりの方でも知っておきたい基本用語を、簡単に説明したいと思います。
リスティング広告
リスティング広告については先述した通りですが、このリスティングというフレーズ。実は、広告がリスト表示されている様子を指しています。要するに、広告一覧といったイメージです。知らずに使っていたリスティングという言葉ですが、改めて意味を理解すると、使いやすい用語ではないでしょうか?
キーワード、オーガニック検索キーワード
キーワードとは、「どんなキーワードで検索された際に広告を表示するか」の「どんなキーワード」にあたる部分です。
オーガニック検索キーワードは、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードで、このオーガニック検索キーワードをもとに入稿したキーワードによって広告が掲載されています。
入札単価(上限クリック単価)
入札単価とはその文字の通り、1広告に対して設定される「この金額までなら支払えます」という金額です。広告枠をかけてオークションが発生した際に、同じキーワードで広告掲載をしようとしている他社広告と一斉に入札が始まり、入札単価の高い順に広告が掲載されています。
予算
広告を掲載するにあたり、その広告にかけられる費用上限がこの予算。予算を設定すると、1日あたりの使用できる予算を超えた場合、制限がかかる仕組みになっています。そのため。広告が掲載されすぎ、想定より予算がオーバーしてしまう事態を防ぐことができるのでう。
アカウント&キャンペーン&広告グループ
アカウントとは、主に1企業、店舗など、大きな組織ごとに1つ作成されるものです。予算を設定するがこのアカウント。
そのアカウントの中で管理するのがキャンペーンとグループ。グループとは、膨大な量のキーワードとそれに付随する広告をまとめるもので、そのグループ群をまとめているのがキャンペーンになります。アカウントで設定された予算が分配されるのがグループです。
大抵の場合、売り出したい商品ごとにキャンペーンが作成され、その広告を表示したいターゲット層ごとにグループ分けがされます。
品質スコア/品質インデックス
品質スコア(品質インデックス)は、広告文の質やオーガニック検索キーワードと広告分とのマッチ率など、様々な要素から決定されます。広告を掲載するにあたり品質スコアは重要視され、品質スコアが高ければ入札単価が低くでも広告が上位に掲載されることも。
インプレッション(imp、表示回数)
インプレッションとは、広告が表示された回数になります。ビッグキーワードでキーワード入稿した際はその分広告が表示される回数も多く、スモールキーワードになるとあまり広告が表示されずインプレッションが伸びないことも。
インプレッションは、どのキーワードに需要があるのかを可視化する1つの要素でもあります。
平均掲載順位
平均掲載順位は、その広告が上から数えて何番目に表示されたのかの平均値を表す数値です。一般的には1位~3位が多くユーザーの目に触れる順位であり、それ以下の数字の場合、表示はされてるけど見られてない…なんてことも少なくありません。
クリック数
広告が表示されその広告がクリックされた、つまり自社広告を見てくれた人数を示すのがこのクリック数。クリック数というのは品質スコアの他にもさまざまな要素が関係しているため一概には言えませんが、インプレッション数が少ないのにクリック数が多い場合は、CTR(後述)が高く、品質の良い広告と言えます。
CTR(クリック率)
CTRとはクリック率を指し、クリック数÷インプレッション数によって算出されます。このCTRの数値が高いとそれだけ品質スコアが高い広告という目安にもなります。
クリック数を増やすうえで見逃せない数値になりますので、しっかりチェックしましょう。
CPC(平均クリック単価)
CPCは平均クリック単価のことで、平均クリック単価とは費用÷クリック数によって算出されます。この数字が大きいほど「1クリックあたりにかかる費用(クリック単価)が高い」という傾向にあります。
CV(コンバージョン数)
コンバージョン数とは、各webサイトの目的(購入・問い合わせ等)を獲得した際にカウントされる数字です。
インプレッション数の先にあるクリック数の行きつく先にある、広告表示の最終目的がこのコンバージョン数の獲得になります。
CVR(コンバージョン率)
CVRとは獲得数÷クリック数によって算出されるコンバージョン率です。クリックしたユーザーの中でどれだけのユーザーが商品を購入・問い合わせをしたかなどを示す数字で、CVRが高いと、コンバージョンに繋がる魅力あるランディングページであるということにもなります。
CPA(平均コンバージョン単価)
CPAとは平均コンバージョン単価を指し、コスト÷コンバージョン数になります。1コンバージョンあたりいくらの費用がかかったかを示す数字で、原価と照らし合わせることによって利益の有無の判断をすることができます。
多くの会社で、いかに安い費用で多くのコンバージョンを得られるかが目標になってくるので、リスティング広告を運用するにあたり非常に重要な数字とも言えます。
入札単価の水準は?入札価格の決め方
各キーワードごとに設定の必要な入札単価ですが、一体何を水準にして設定したらいいのでしょうか?そんなマーケティング担当者の悩みを解決する4つの方法をご紹介します。
Google AdWords(Google広告)ならキーワードプランナー
Google AdWords改めGoogle広告であれば、キーワードプランナーという、キーワードからおおよそのクリック単価や類似したキーワードの検索ボリュームなどをチェックするツールを使用することが出来ます。
「ツール」>「プランニング・キーワードプランナー」>「新しいキーワード」から配信を行いたいキーワードもしくは配信したいサイトのURLを入力し検索すると、検索したキーワードに関連するキーワードの内上位に掲載された広告の入札単価が高額帯・低額帯に分けて確認できる他、平均検索ボリュームやそんおキーワードの競合性なども知ることが出来ます。
Yahoo!プロモーションならキーワードアドバイスツール
Yahoo!プロモーション広告であれば、キーワードアドバイスツールという支援ツールを使用することが出来ます。
「スポンサードサーチ」>「ツール」>「キーワードアドバイスツール」から配信をしたいキーワードを入力するか配信をしたいwebサイトのURLを入力し検索すると、推定CPC(平均クリック単価)や、その他にも推定インプレッション数や推定掲載順位など、あらゆる情報を推定で表示してくれます。
目標獲得単価から決める
広告を出稿する際、CPA(平均コンバージョン単価)を設定すると思いますがそのCPAと、想定しているCVR(コンバージョン率)とをもとにして、入札単価を決める方法もあります。
広告を配信するまでCVRは分からない上に、何をもってしてコンバージョンにしているかによって変わるものになりますので、最初の設定はおおまかな目安でいいでしょう。広告の配信が始まり、およそのCVRが見えてきたら、その数値に合わせて設定してみてくださいね。
自動入札
一章でもご紹介しましたが、設定したコンバージョン単価をもとに入札単価が自動的に調整される目標コンバージョン単価制というシステムもあり、逐一個別で入札単価を調節する手間が省けるため、忙しい方や、とりあえず様子を見たいという方は、自動入札機能で入札単価を調整してもらうのも1つの手です。
最適なクリック単価から自動的に調整されるため、運用が難しいという方でも簡単に使用することができます。
目標コンバージョン単価制にした場合、個別のコンバージョン単価は目標額から上下することがありますが、全体コンバージョン単価と大きな差がでることはありませんので、ご安心ください。
キーワード以外での単価調整も可能?
Google Adwords(Google広告)の場合、入札単価はキーワードごとに調整できるほか、細かな部分で設定が可能です。
デバイス、エリア別、時間帯・曜日、年齢別、性別、世帯収入など、ターゲットを絞り込んだ単価調整ができるため、より精密な広告掲載ができます。
目標と戦略はしっかりと
リスティングの運用は簡単ではなく、常に変動し続ける市場の把握やユーザー心理へのアプローチがカギとなります。
入札争いのあるリスティング運用において、しっかりとリスティング広告の入札方法やその仕組みについて把握しておくことによって、より明確な分析ができるようになるのです。
アドネットワークのシステムに頼り切りではなく、ユーザーのニーズにあったコンテンツとは何か、マーケティング担当として考えていく必要がありそうです。
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