オウンドメディア
2019.01.17 (木)
オウンドメディアの作り方とは?事前準備からサイト制作までを解説
自社のメディアを活用して情報発信を行うオウンドメディア。
サイトへのアクセス数を集めることで、売り上げアップや認知度向上を目的として制作されます。
オウンドメディアというと、記事作成がメインというイメージがありますが、準備段階からターゲットの設定、サイト制作、編集体制など、様々なステップが必要となります。
ここでは、オウンドメディアの基礎知識から作り方について解説していきます。
▼目次
オウンドメディアを作るメリット
自社サービスやECサイトなどを運営する企業にとって、オウンドメディアを運用することによるメリットとは何なのでしょうか?
ブランドを構築しやすい
オウンドメディアでは、媒体に縛られることなく自由な表現ができるのが特徴。そのため、企業の意図した世界観を作ることができ、ブランドの強みや、顧客のメリットとなるブランド関連のお役立ち情報を発信することで、「この商品なといえば○○」といったブランディングが構築しやすくなります。
広告費ゼロで集客が得られる
毎回費用を支払う広告とは違い、オウンドメディアは1度制作してしまえば永続的に自社の資産として保持し続けられるのが強みです。頻繁にコンテンツを発信することで、オウンドメディアからの自然集客が高まりやすく、広告費をカットすることにも繋がります。
成果が出るまでに多くのステップや労働力が必要となりますが、オウンドメディアを育てることが将来的な会社の認知度向上・利益アップに繋がるでしょう。
顧客ロイヤリティを向上できる
オウンドメディアでは、見込み顧客にメリットとなる情報を発信することで、ブランド力を高めたりメディアの信頼度を増すことに繋がります。企業へ「信頼」「愛着」を持っていただくことで、競合他社との比較時にも自社の有力となってくれるでしょう。
さらには、メディアを通して商品・サービスを購入した顧客とも接点を持ち続けることで、リピーターの獲得にも繋がります。
オウンドメディアには3つの型がある
オウンドメディアの目的としては、自社の商品やサービスにおける「見込み顧客」に対して、ニーズに答える情報を提供することで、顧客化や購買に結び付けること。
しかし、オウンドメディアの種類は1パターンではなく、大きく分けて3つが存在しますので、特徴を理解しておくことで今後の指針を立てやすくなります。
■バズ型
感動系やおもしろなどの、ソーシャルメディアでシェアしたくなるようなコンテンツを通して認知度を高めるといった手法。サイトには爆発的なアクセス数を集めることができる一方、直接的な自社の利益には繋がらないのがデメリットでもある。
■ブランド認知型
既に知名度のあるブランドがや企業が運営することで、さらにユーザー層を広げるための形態。
■検索経由型
検索エンジン経由でメディアにアクセス数を集める手法。見込み顧客が求めているであろう情報を発信することで、ターゲットとなるユーザーを集めやすいのが特徴。直接的な利益に繋がりやすい。
ここで注意したいのが、「バズ型」や「ブランド認知型」のオウンドメディアです。
これらのオウンドメディアは、すでに確立されたブランドであることや、バズが起こりやすいコンテンツを作る必要があります。そのため、知名度がそこまで高くない中小企業や、0からオウンドメディアを立ち上げようという企業にとっては成功しにくい形態でもあります。
一方、検索エンジン経由のオウンドメディアでは、ターゲット層やサイトのコンテンツなどの戦略を立てることで、メディアへのアクセスを集めやすくなります。
そのため、これまでオウンドメディアを作ってこなかった企業や、インターネットに発信していなかった企業にこそ、検索エンジン経由のオウンドメディアが効果的と言えます。
オウンドメディアを始める準備
オウンドメディアを始めるにあたって、企画や制作の前に準備が必要です。
既存サイトをオウンドメディアにするのか、新規のオウンドメディアを立ち上げるのかによっても、方向性が大きく変わってきますので、まずは以下のステップで準備を行いましょう。
ドメインを決める
オウンドメディアのドメインには、
・新たに独自ドメインを取得する
・既存のコーポレートサイトのメインドメインのサブドメインやサブディレクトリを使用する
といった2つの方法があります。
現状の企業イメージと異なるブランディングをしたい場合には、新たな独自ドメインの取得がおすすめですが、コンテンツが自社に寄り過ぎて不信感を持たれやすい点には注意が必要となります。
また、既存サイトが多くの被リンクを持っている場合、新規に立ち上げるのはその被リンクを放棄することにも繋がります。
関連サイトから多くのリンクがある場合は、数や質をみて引き継ぐべきか慎重に判断しましょう。
サーバー環境をどうするか
オウンドメディアとなれば、アクセス数が急増することでサーバーの負荷が増えることが予想できます。
サーバーの負荷が大きければページの表示速度が遅くなってしまうので、SEO面でもマイナスに。
そのため、オウンドメディアの目指すアクセス数に応じたサーバー環境を用意することが大切です。
サーバーには、
・自社サーバー
・共有サーバー
・クラウドサーバー
といった選択肢があります。
新たに独自ドメインを取得する場合はもちろんですが、既存サイトと別のサーバーに構築する際には注意が必要です。
サブドメインを使用する場合は比較的容易に別サーバーを構築できますが、サブディレクトリの場合は異なるサーバーへの構築作業が複雑となる点を理解しておきましょう。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を選ぶ
オウンドメディアを構築するにはWordpress( ワードプレス) などのCMSが使われるのが一般的です。
HTMLやCSSなどの知識がなくとも、テンプレートにテキストの入力や画像の挿入を行うだけで更新管理ができるだけでなく、数百ものページを効率的に管理するためです。
様々なCMSが開発されているため、ソーシャルなどのシステムをを使う場合もあるようですが、やはり昨今ではWordpress(ワードプレス)が使用されるケースが多いようです。いずれにしても、自社に合ったものを導入することが重要です。
オウンドメディアの作り方「企画」
では、ここからオウンドメディアの作り方について解説していきます。
まず最初に始めることは、実際にどのような方向性でメディアを運用していくのか、企画戦略を考えることです。
企画の手順は以下となります。
①ゴールの設定
②ターゲットの設定
③コンセプトの設定
④編集体制を整える
順番に詳しい企画方法について見ていきましょう。
①ゴールの設定
オウンドメディアの企画を始める段階では、まずは最終的なゴールを決めることから始めましょう。メディアと立ち上げるにあたって、「何のために立ち上げるのか」を考えてみてください。
よくあるゴールの例としては、
・会社の知名度と高める
・商品やサービスの申し込みを増やす
・メルマガの会員登録を増やす
などが挙げられます。
このように最終目標「ゴール」を決めることで、ターゲットを絞りやすくなるほか、今後の検証や改善が行いやすくなります。
②ターゲットの設定
ゴールが決まったあとは、ターゲット設定を行います。
ターゲットは、理想の顧客増であるペルソナとして、年齢や性別、趣味などを詳しく設定していくことがポイント。
ペルソナに人格を持たせて細かく設定することで、自社の商品・サービスをどのようにアプローチしていくかの指針が立てやすくなります。
ペルソナの例としては、
・30歳女性
・百貨店の接客業で働くOL、独身。
・都会から少し外れた地域でワンルームで独り暮らし
・裕福ではないが同世代の女性では年収が高い方
・猫を飼っている
・ドラマ鑑賞、トレンド美容が趣味
・休日には岩盤浴に通うのが習慣
などなど。
詳しいターゲットが決ることで、
・どんな情報を求めているのか
・どんな理由で検索エンジンを使うのか
といったことがイメージしやすくなりませんか?
他にも、ペルソナの思考やお金の価値観などを細かく設定することで、どのようなアプローチをしていくべきか想定しやすくなります。
③コンセプトの設定
続いては、サイトのコンセプトを決めます。
先ほど決めたゴールとターゲットをもとに、どういった情報を発信するためのサイトなのか、どんな人に見てほしいのか、コンセプトを考えましょう。
コンセプトの作り方としては、「誰に対してどんなことをしてくれるサイトなのか」を考えること。しかし、ニッチにし過ぎないということが重要です。
狭い範囲の情報発信を行うメディアにした場合、コンテンツの内容が底をつきてしまったり、大きな集客に繋がりにくい点に注意しましょう。
④編集体制を整える
オウンドメディアの運用には、様々な人材が必要とされます。
運用方針の策定や、方針の決定、担当者のスケジューリング、サイト作成、SEO対策、コンテンツ制作ライター、アクセス分析など。
立ち上げから運用までの業務は、さらに複数のステップが必要となるので、時間と労力を上手く考えることが重要です。
1人の担当者だけで業務を運用するのは不可能なので、チームで効率化して業務を行うことになります。
また、オウンドメディアの運用当初は、コンテンツを増やしていくことが望ましいので、毎日更新できるライターやクオリティを確保するディレクターが欠かせません。
自社の人材で確保できない場合は、外部ライターに委託する、あるいは運用自体を外部に委託するなどの編集体制を構築しておくことが大切です。
オウンドメディアの作り方「制作」
オウンドメディアのターゲットやコンセプトが決まり、編集体制を整えることができれば、いよいよ制作段階へと入ります。
制作でポイントとなるのは、以下の5項目です。
①キーワード選定
②記事テーマの決定
③KPIの設定
④サイト制作
⑤分析ツールの活用
企画段階で決定したコンセプトやターゲットに合った、顧客の有益となる情報を発信することが重要です。
それでは、①~⑤まで詳しく説明していきます。
①キーワード選定
検索エンジン経由でオウンドメディアにアクセスを集める場合、「どのようなキーワードで検索するか」を意識してサイトを作っていくことが重要となります。
まずは、ペルソナやコンセプトに合ったキーワードを洗い出しましょう。
その時、競合性の高いキーワードを選定するよりも、競合性が中もしくは小のキーワードを使用するのがポイント。
なぜかというと、競合性が高いキーワードをを使っても、新しいメディアが上位に表示されることは難しいためです。
また、キーワードは単一ではなくサジェストキーワードを用いるのが基本です。
キーワードが「ダイエット」だった場合は、「ダイエット おすすめ」といったように、複合キーワードを設定しておきましょう。
②記事テーマの決定
キーワードを選定した後は、記事のテーマやアウトラインを決めていきます。
記事テーマは、ペルソナが検索したときにどんな意図をもっているかを踏まえて、解決へ導くものを選びます。
「ダイエット 食事」と検索するする人にはおすすめの食事法、レシピなどを紹介するなど、ペルソナの疑問を解消できる内容を考えましょう。
アウトラインまで指示を入れることで、ライターが想定する内容から外れにくく執筆しやすいというメリットもあります。
③KPIの設定
キーワードや記事テーマが決まったら、オウンドメディアのゴールに対する目標達成となる指標を設定しましょう。
この目的達成を測るためのものが「KPI」の設定です。
一般的なKPIの設定には、以下のようなものが挙げられます。
・サイト全体のクリック率
・記事のクリック数
・記事の順位
・会員登録のページ数
このようなKPIを設定して数値を計測することで、「なぜ目標が達成できなかったのか」「どのくらい効果が出ているのか」などを考えることができます。
オウンドメディアをより良いものに改善するためには、自社も目標となる指標を決めておくことが大切です。
④サイト制作
様々なステップを踏んできて、ついにここでサイトの立ち上げとなります。
WordPress(ワードプレス)にあたる管理ソフトCMSを用いるのが一般的です。
複数人で管理がしやすく、記事の公開や編集も簡単なことから、初めて利用する方でもコツを掴みやすいのが特徴です。
しかし、サイトを立ち上げるだけで上位表示されるというわけではないため、SEOを意識したコンテンツを制作する必要があります。
コンテンツ制作にはライターに執筆依頼をしますが、記事のテーマやアウトラインをしっかり伝えておきましょう。
外部ライターに依頼する場合は、CMS入稿まで依頼するのか、ワードなどで受け取って、入稿は自社で行うのかなど、あらかじめ運営方針を決めておくことが重要です。
記事を執筆した後は、記事チェックや校正を行い、スケジュールに沿って公開していく流れとなります。
⑤分析ツールの活用
オウンドメディアでコンテンツを公開してきているものの、「本当に効果が出ているのか」「どれくらいの人がサイトを見ているのか」、目に見えません。
そのため、アクセス解析ツールを活用することをおすすめします。
PVや回遊率、直帰率などの測定することで、サイトの改善点を知ることができ、アクセス数を増やすとともにサイトの評価を上げることにも繋がります。
Googleアナリティクスが代表的なツールですが、他にも無料や優良のツールがあるので、自社に合ったものを取り入れるようにしましょう。
効果を最大限に発揮させるためには
ここまでオウンドメディアの作り方についてご紹介してきましたが、オウンドメディアの効果を最大限に活かすためには、アクセスが増えて軌道に乗ってきた時が肝心です。
まず重要なのはコンテンツ作りです。
いくらアクセスを集めていても、その後コンテンツの内容をおろそかにしていたり、更新頻度が低いとユーザーが定着しません。
また、コンテンツの内容も重要です。
ユーザーのニーズに合わせた需要のある題材を選ぶことが合理的ですが、内容が飽和状態になってしまっては意味がありません。
サイトを訪れるユーザーにとって「欲しい情報」が明確に表示されていることを考えて作りましょう。
サイトのコンセプトやニーズを確立するためにも、話題に軸を設定することが大切です。
さらに、オウンドメディアでは「使いやすさ」や「見やすさ」「興味の引くデザイン」といったこともブランド戦略に影響します。
サイト訪問者が顧客として定着させるためにも、きちんとユーザー目線になっているかを目指しましょう。
このように、オウンドメディアを運営するときには、明確な指標を設定し、ユーザーにとって快適なサイトになるように心がけて制作しましょう。
時間と人材の確保ができない場合
オウンドメディアを運営するにあたって、準備段階から企画、制作、コンテンツ投稿までに、あらゆるステップが必要となります。
さらには、顧客を定着化させるためにも頻繁にコンテンツの更新をすることに越したことはありません。
しかし、企画や制作をしながらコンテンツを頻繁に追加することが簡単なことではありません。
きちんとした運営体制を整えるためには、充分な時間と労働力が必要とされます。
もし、自社の人材で労働力が確保できない場合は、記事の執筆のみ外部に委託する方法や、オウンドメディアの運営自体を他社に委託するという手段もあります。
成果の出るオウンドメディアにするためには、アクセス分析や改善などをこまめに行っていくことが大事ですから、自社で全てを行うのに限界があるという方は、プロのオウンドメディア制作会社に委託してみるのも方法のひとつと言えるでしょう。
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