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2021.12.08 (水)
キュレーションメディアとは?作り方やメリット・注意点について
キュレーションメディアという言葉を一度は耳にしたことがあっても内容をきちんと把握していない方もいるかもしれません。
・キュレーションメディアって何?
・なんとなく知っているけど説明できない
このような方に向けて、本記事では基礎知識から問題点、代表的な媒体まで解説していきます。
▼目次
キュレーションメディアとは?
こちらではキュレーションメディアの役割や意味について基礎的な部分を解説します。
キュレーションメディアの役割
簡単に表すと「情報のまとめサイト」です。
キュレーションメディアとは、あるテーマに基づいて関連情報を集め、見やすい形に再編集して新たな価値を作り出すメディアです。
WEB上には膨大な情報があふれているため、ユーザーが何かについて「知りたい」と思っても、回答にたどり着くまで時間や労力がかかってしまいます。
そのようなとき、知りたい情報についてまとめられたキュレーションメディアを見ると、効率よく情報を得ることができます。
キュレーションメディアの意味
キュレーションメディアを、言葉の意味から考えてみましょう。
「キュレーション」とは、英語の「curator(キュレーター)」が由来です。キュレーターとは美術館や博物館などの文化施設で展示を企画、運営する専門職の呼称です。
例えば美術館の場合、キュレーターがテーマを決めて、関連するアート作品を収集、保管、管理しながら独自の展示を行います。
このことになぞらえて、WEB上の情報をテーマに沿ってまとめたメディアをキュレーションメディアと呼んでいます。
キュレーションメディアのメリットや利点
現在WEB上には、数多くのキュレーションメディアが存在しています。主に以下のようなメリットや利点があります。
作成しやすくコストがかからない
キュレーションメディアは、テーマにマッチした情報をまとめるだけで記事が完成します。
専門知識が不要なテーマやコンセプトであれば一般の書き手で十分対応でき、記事の量産も比較的容易でしょう。
WordPressといった無料ツールを使えば低コストで、ベンチャー企業や予算の少ない中小企業でも簡単に立ち上げることができます。
多くのユーザーとつながることができる
キュレーションメディアは性質上、多くのユーザーとつながることが可能です。短時間で有益な情報をざっくりと集めたい人や、テーマに強い関心を持つ人など幅広い層に対してアプローチできます。
また、トレンドやそのとき話題の情報を提供していることが多いため、短期間でアクセスが集まりやすいことも特徴です。
キュレーションメディアのデメリットや問題点
メリットがある一方、キュレーションメディアには次のようなデメリットも存在します。
情報の信頼性が不透明な場合もある
キュレーションメディアの多くはスピードや更新頻度が重視されます。
そのため、一般の書き手が書いた正確性に欠ける情報や偏った意見が、そのまま掲載されてしまうことがあります。
事実確認が足りていない記事や推測だけで書かれた記事をユーザーに伝えてしまうと、その人の考え方や生活、ひいては人生にまで影響を及ぼしかねません。
情報の信頼性を担保したい場合は、専門家の監修を受ければ、より信頼の高いキュレーションメディアになります。
著作権に関する違反が多い
他のサイトで得た既存の文章や画像をそのまま勝手にコピーしただけの記事は、著作権侵害にあたります。
できるだけオリジナルの文章で記事を作成することがベストですが、ユーザーにとって引用したほうが分かりやすい場合は、きちんとしたルールに則って正しく引用しましょう。
画像の場合は、利用可能なフリー素材を使えばトラブルを防ぐことができます。
また、制作チーム全体で執筆における規則をしっかり共有することも大切です。
キュレーションメディアで過去に起きた事件
過去には、キュレーションメディアをめぐって実際にさまざまな事件が発生し、社会問題になりました。
WELQ(ウェルク)事件
「WELQ」とは、2016年当時に株式会社DeNAが運営していたキュレーションサイトで、医療・ヘルスケア情報を扱っていました。
ところが、医療関係者による監修を受けていない状態で、記事を公開していたことが発覚しました。
不正確で誤った情報を発信していた上に、記事の制作マニュアルにも問題があることが分かり、最終的にWELQは閉鎖となります。
DeNAが運営していた他の10媒体でも全記事が公開中止となり、問題は業界全体に大きく広がっていきました。現在「MERY」のみ編集体制を強化して再開しています。
ヘルスケア大学事件
WELQ事件と同様に、2017年には株式会社リッチメディアが運営する医療・健康情報キュレーションサイト「ヘルスケア大学」でも、不正確な情報発信が指摘されました。
最終的にはヘルスケア大学も閉鎖に追い込まれています。
マイナビウーマン事件
2018年には株式会社マイナビが運営する「マイナビウーマン」で医療系の記事に不適切な表現があり、一部が非公開となりました。
現在は記事の品質を向上させるために医療関係者を含めた制作フローを整備して、サイト運営を行っています。
これらの事件から分かる通り、キュレーションメディアの記事制作にあたっては、社会的責任や影響を十分に考慮する必要があります。とくに医療・健康関連は注意しましょう。
キュレーションメディア制作の流れ
運営する際にはどのような流れになるのか具体的にみていきましょう。
事前の準備と注意点
キュレーションメディアは、事前のリサーチが大切です。
特に多くのキュレーションサイトがひしめき合う現在は、ニーズがある分野をどのようなテーマで見せて、どんな層をターゲットにするのか、しっかり調査してサイト構成を計画することが必要です。
そのように絞り込んでいくことが、結果として競合との差別化につながります。
また、前述したデメリットを踏まえ、医療や健康、美容など特に繊細な分野はどのような法令を順守すべきか確認しましょう。
収益化の流れについて
キュレーションメディアは多くの場合、立ち上げた瞬間からいきなり多くの収益が出るメディアではありません。
良質な記事をたくさん公開してアクセス数をできるだけ集め、定期的に訪れてくれるユーザーやファンの数を増やすことが重要です。
そうすればサイトの認知度があがり、媒体のブランド力が自然と育ち、本格的に収益を生み出すことが可能となります。
収益の成功例
では、実際にキュレーションメディアで安定した収益化に成功している事例のうち、代表的なものをいくつかご紹介します。
多くのユーザーが訪れるメディアにクライアントが出稿する、広告モデルで成功しているのが「SmartNews」や「グノシー」です。
※引用※「図表3;2020年4月 Monthly Total レポート トータルデジタル利用者数TOP10 総合ニュースカテゴリー」
参考:Nielsen「ニールセン、デジタルコンテンツ視聴率にMonthly Totalレポートを導入~トータルデジタルにおける透明性のある人ベースの媒体評価を容易にする標準指標を提供」
上記の表によると、SmartNewsのMAU(月間利用者数)が約2,100万人、グノシーのMAUが約1,300万人になります。
広告を掲載したい企業からすると、これだけ多くの人に閲覧されているメディアに出稿すればより幅広い層にアピールできるということです。
さらに、魅力的なサービスを利用するためユーザーが自らお金を払う課金モデルの代表として挙げられるのが「NewsPicks」です。
プレミアム会員だけが読める、鋭い切り口のオリジナル記事や動画コンテンツなどを多数用意して媒体の価値を高めています。
その結果「毎月お金を払ってでも読みたい」と、ユーザーに思わせることに成功しました。会員数が増えれば増えるほど収益も増える仕組みです。
運用方法
キュレーションメディアを運用するには、頻繁に更新する必要があるため、運用体制をしっかりと構築しましょう。
自社で運営するなら、十分なスタッフを確保して専用のチームを作る必要があります。外注できる部分は積極的に外注して生産を上げましょう。
また、記事を公開した後の効果を検証しメディアとして進化していけば、おのずとアクセス数の増加にもつながります。
代表的なキュレーションメディア
現在も活発に運用されている、代表的なキュレーションメディアをジャンル別にご紹介します。
ニュース・情報
国内外のニュースをメインに、さまざまな情報を広範囲で取り扱うキュレーションメディアです。
グノシー
エンタメやスポーツから、経済・政治・グルメ・クーポンまで、幅広いジャンルのニュースを提供するメディアで、株式会社Gunosyが運営しています。
特に、国内だけで3,500万ダウンロードを超えるアプリでは、ユーザーの興味に合わせて最適な情報をピックアップして発信しています。ジャンルを自分好みにカスタマイズすることも可能です。
主な収益源は、商品やサービスと親和性が高いユーザーに配信する広告料です。
SmartNews
スマートニュース株式会社が運営する、ニュースメディアです。
今この瞬間に世の中で起こっていることや話題になっている物の記事を、オリジナルのアルゴリズム(計算方法)を使って自動で集めて配信しています。
日本国内だけでなく米国での利用者も急増しており、スマートフォンアプリのダウンロード数は世界で5,000万以上に達しました。
ユーザーが読んでいる記事の合間に、広告を掲載して収入を稼ぐビジネスモデルです。
NewsPicks
経済系の各紙を中心に国内外の最新経済ニュースを厳選して提供するメディアで、株式会社ニューズピックスが運営しています。
各業界の専門家や著名人などの解説コメントを読むことができ、ニュースを多角的に理解するのに役立ちます。
質の高いオリジナルのコンテンツを読むために月額制の有料会員になるユーザーが増加しており、2021年3月末現在の有料会員数は18.1万人を突破しました。主な収益源は、この月額料金と広告収益です。
Antenna
400以上のメディアから提供される記事を、厳選して配信するメディアです。
ファッションやイベント、グルメ、ライフスタイルなど、嗜好性の高いテーマやコンテンツを毎日提供しています。
運営会社は株式会社グライダーアソシエイツで、主な収益は広告収入です。
コンテンツの記事と馴染むように広告が制作されているため、ユーザーは広告も情報として捉えやすく、違和感なく閲覧することができます。
女性向け・ライフスタイル
ファッションや美容など、主に女性をターゲットとしたコンテンツを多数提供するキュレーションメディアです。
LOCARI
ファッションやレシピ、美容、恋愛・結婚など、女性のライフスタイル全般を広くカバーするジャンルの記事を配信しています。
25歳以上の女性に特化したメディアで、アプリのダウンロード数は900万を超えました。運営会社は、株式会社Wondershakeです。
インスタグラマーが提案するコーデや料理研究家が考案したレシピなど、オリジナル記事も多数掲載されています。主な収入源は広告収入です。
キナリノ
ナチュラルなライフスタイルや、自分らしいファッションを好む女性に向けたコンテンツを提供するメディアです。株式会社カカクコムが運営しています。
コンセプトやサイトのデザインを「キナリノ」と統一させた、姉妹サイトの「キナリノモール」も展開しており、記事を読んだユーザーがページを移行してスムーズに買い物ができるよう工夫されています。
キュレーションメディアとEC販売を連携させたビジネスモデルです。
MERY
トレンドに敏感な20代の若年女性をターゲットに、ファッションや美容、恋愛などの最新情報を配信するメディアです。
先述のWELQ事件に関連して著作権問題が発覚し一時閉鎖していましたが、現在は編集体制をより強化する形に整えて、株式会社MERYが運営しています。
若い女性が今欲しいと思う商品をプロデュースしてEC販売しており、広告・タイアップが収益源です。
4MEEE
20~30代の女性に向けて、ファッションやビューティー、スイーツなど、すぐに取り入れたくなるリアルなトレンド情報を提供しています。
ユーザーと同年代の女優や女性タレントを対象としたインタビュー記事など、ここでしか読めない独自コンテンツも豊富です。
高感度なママに向けたキュレーションメディア「4yuuu!」も運営しており、広告収入が主な収益源です。
食・グルメ
毎日の暮らしに欠かせない、料理やグルメに関する情報を取り扱うキュレーションメディアです。
Retty
実名で投稿された信頼度の高い口コミに基づいて、飲食店を探すことができるメディアです。Retty株式会社が運営しています。
自分の好みと近いユーザーを選んで、その人がおすすめするお気に入りのお店を一覧でチェックすることが可能です。
Rettyのデータを活用して「Rettyグルメニュース」も運営しており、グルメ関連の記事を公開しています。主な収入源は、広告やタイアップなどです。
macaroni
株式会社トラストリッジが運営するメディアで、食に関するさまざまな記事を女性向けに配信しています。
最新のグルメトレンドやレシピ動画、テーブルウェアやキッチングッズ情報などを、分かりやすくオシャレなビジュアルで提供しています。macaroniを一緒に盛り上げるユーザー組織「マカロニメイト」があるのも特徴です。
収益のメインは広告収入ですが、macaroni編集部が厳選したアイテムを販売する「マカロニ商店」も運営しています。
ippin
グルメコンシェルジュやフードジャーナリスト、料理研究家など、食文化の第一線で活躍する専門家や著名人をキュレーターに迎えて、質の高い記事を届けるメディアです。株式会社ぐるなびが運営しています。
ギフトや手土産向けの商品をメインに紹介しており、ユーザーが興味をもって記事を読んだ後すぐに商品を購入することができるビジネスモデルです。
観光・旅行
見ているだけでもワクワクするような、観光や旅行にまつわる情報を提供するキュレーションメディアです。
RETRIP
身近なエリアにあるカフェの情報から、いつかは行きたい憧れの海外に関する情報まで、最新のお出かけ情報がたっぷり詰まったメディアです。株式会社trippieceが運営しています。
ユーザー登録をすれば、誰でも記事を制作することが可能です。
スマートフォンのアプリだと、開催中のイベントがすぐに分かるイベントカレンダーや現在地からの検索など、機能も充実しています。主に広告掲載で収入を得ています。
icotto
仕事や家事などに追われて日々忙しい女性がリフレッシュするための旅情報に特化したメディアで、株式会社カカクコムが運営しています。
女性目線で書かれた記事が多く、フォトジェニック、女子旅、ご当地グルメなどキーワードで気になる情報を探すこともできます。
宿泊施設を紹介した記事の場合は、そこから直接旅行予約サイトに飛ぶことも可能です。
TABIZINE
旅と自由をテーマにしたメディアで、株式会社オンエアが運営しています。
国内外の観光情報だけにとどまらず、旅にまつわる小ネタやクスッと笑えるようなランキングなど、ここでしか読めない独自記事がたくさん公開されています。
ユーザーは、単に情報を得るだけではなく、楽しさを求めてサイトを訪れるようになり自社のファン獲得を成功させているキュレーションメディアです。
キュレーションメディア制作ならDreamLabまで
近年キュレーションメディアは数多く存在しており、きちんとしたリサーチや分析を行って運営しないと、差別化ができません。また実際の記事制作では、著作権をきちんと守って独自の記事を公開しないと、自社の信用を失う危険性もあります。
キュレーションメディア制作にあたり、なにか困ったことがあればDreamLabまでお気軽にご相談ください。
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