コンテンツマーケティング
2021.06.09 (水)
コンテンツマーケティングとは?始め方を初心者にもわかりやすく解説
「コンテンツマーケティング」という言葉をよく耳にする方もいるでしょう。
コンテンツマーケティングを取り入れた企業の中で「顧客獲得につながった」「企業の売上が増加した」といった企業も少なくありません。
「コンテンツマーケティングってなに?」「何から始めたらいいの?どうやって進めればいいの?」といった方に向けて、この記事ではコンテンツマーケティングの基本的な知識から、メリット、始め方について解説します。
▼目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングは、日本で2010年ごろから注目が高まりました。
Content Marketing Instituteの創始者であるジョー・ビューリッチ氏が定義する「コンテンツマーケティング」は以下です。
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
訳:コンテンツマーケティングは、価値や関連性など一貫したコンテンツを作成し配布することに重きを置いた戦略的なマーケティン手法を指す。ターゲットとしたユーザーを引き付け、維持し、最終的には収益性の高い購買行動を促進することを目指す。引用:What Is Content Marketing?(英文)
コンテンツマーケティングとは何か
コンテンツマーケティングとは、ユーザーが価値を感じる高品質なコンテンツを作成・提供することで潜在顧客を見込み客に育て、最終的に購買行動を起こすことを目的としたマーケティング手法です。
従来の宣伝手法との違い
テレビCMやテレアポ型のセールスのように、従来は企業が自社の商品やサービスをアピールし一方的に売り込む「売り込み型」の宣伝手法が一般的でした。
情報が少なく情報の入手手段が限られている時代では効果を発揮できていましたが、インターネットが普及しさまざまな情報をいつでも簡単に手にいれることができるようになると、知りたい情報を自分の力で探すことが当たり前となったのです。
そのため、関係のないCMやバナー広告など広告だと分かると無視されてしまい、以前より広告効果が得られにくくなりました。
従来の宣伝手法と異なり、コンテンツマーケティングはまだ見込み客となっていない潜在顧客に対し、「企業が伝えたいこと」を「情報を求めている人」に対して適切なタイミングで適切なコンテンツを提供します。
それにより自社の存在を知るきっかけを作り、徐々に関係を深め、最終的に購買行動へとつなげることができるのです。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングのメリットは主に以下の3つです。
・SEO流入の増加
・集客の資産になる
・広告費の削減
どういうものか、それぞれ説明します。
SEO流入の増加
SEOの順位を上げるためには、検索エンジンに評価される必要があります。
コンテンツマーケティングはターゲットユーザーにとって必要でかつ有益なコンテンツを配信することで自社商品への興味関心を高め、見込み客へと育て、最終的に購買行動を起こしてもらう手法です。
そのため、「興味関心を引くためにはどうしたらいいか」「ユーザーにとって有益なコンテンツとは何か」のようにコンテンツマーケティングを突き詰めるほど、検索エンジンに評価されやすくなり、検索結果の表示順位の上昇が見込めます。
検索結果の表示順位の上位に表示されやすくなれば、検索ユーザーの流入も増えるでしょう。
さらに作成したコンテンツは、テレビCMやWeb広告のように配信エリアや配信時間、配信ユーザーを絞ることなく全世界にむけて配信できるため、多言語を使用すれば世界中にいるユーザーに向けてアプローチできることもメリットです。
集客の資産になる
例えば集客ツールの中にテレビCMやWeb広告がありますが、テレビCMや広告の掲載期間が終了すると作成したコンテンツはユーザーに見てもらうことができないため価値がなくなってしまいます。
一方コンテンツマーケティングで作成したコンテンツは、企業が掲載をやめたりWebサイトを閉鎖しない限り半永久的にインターネット上に残るため、ユーザーはいつでも閲覧することができるのです。
コンテンツマーケティングでは目的にあわせてさまざまなコンテンツを作成するため、作成したコンテンツ1つひとつが企業の資産として蓄積され、さまざまな情報を発信し続けます。
コンテンツの数が多ければ多いほど興味や関心を持つユーザーの流入経路は増え、ユーザーが知りたい情報や関連する情報が豊富であればあるほどWebサイトの価値は高まるでしょう。
コンテンツマーケティングを継続し蓄積されたコンテンツはWebサイトの価値を高めるだけでなく、見込み客を集客するための重要な資産となるのです。
広告費の削減
コンテンツマーケティングを効果的に活用できれば、コンテンツから集客ができ、広告費を抑えることが可能です。
通常、商品の宣伝や企業イメージをアップし商品の購入してもらうためには、テレビやラジオ、新聞・雑誌などのマスメディア、リスティング広告やバナー広告などのWeb広告があげられます。
マスメディアやWeb広告に掲載するためには広告費が必要で、掲載場所や掲載期間によって数十万から数百万、それ以上かかることもあり、さらに掲載が終了してしまうと広告効果は長く期待できないでしょう。
一方コンテンツマーケティングは、コンテンツ作成費用はある程度必要なものの一度インターネット上に掲載すれば費用はかかりません。
さらにコンテンツを作成すればするほど情報量が蓄積されるため、購入の可能性がある見込み客との接点が増え、費用対効果が高まっていくのです。
自社の商品に興味関心を持つユーザーにアプローチできれば、高い購入率を期待できるだけでなく、SNSや他サイトで紹介されたり口コミからの問い合わせにもはつながる可能性が高くなり、広告費をかけなくても集客できる仕組みを作ることができます。
コンテンツを継続して作成したり改善したりすることで効果を維持・拡大することができるコンテンツマーケティングは、広告費を削減する効果もあるのです。
コンテンツマーケティングの始め方
コンテンツマーケティングを始めようと思っても、まず何から着手したらいいのか分からない方もいるかもしれません。
コンテンツマーケティングを始めるなら以下の11ステップで行いましょう。
1.運用体制を構築する
2.目標・KPIの設定
3.ペルソナの設計
4.現状の分析、戦略立案
5.キーワード選定
6.見出しの作成
7.ライティング
8.校正
9.効果測定の実施
10.PDCA
11.ツールの導入
ここからはそれぞれのステップごとに詳しく説明していきます。
1.運用体制を構築する
コンテンツマーケティングはすぐに効果が出るものではないため、長期的に継続して行う必要があります。
長期的に運用が必要であることに加え、コンテンツの作成や運用、分析、改善などコンテンツマーケティングに必要な工程は多岐に渡るため、運用体制をしっかりと構築しておくと安心です。
例えばコンテンツの作成は誰が行い、その後の管理と運営は誰が行うのかといった、業務の役割分担と担当者を決めておくとスムーズに進められるでしょう。
運用体制は主に以下の2つがあります。
全て外注する体制
コンテンツマーケティングに関わるすべての工程を外注するパターンです。
戦略立案からキーワード選定、見出し作成、ライティング、校正、分析まですべて外注業者を利用します。
すべて請け負う企業もありますが、それぞれの工程ごとに異なる企業を利用する場合もあるでしょう。
コンテンツマーケティングで目指したいことや進捗報告の方法・頻度、最低限守って欲しいルールなどを依頼企業に明確に伝えておくと、ミスマッチやイメージの相違が少なくて済みます。
外注+社内の体制
工程の一部だけ外注するパターンです。
戦略立案、キーワード選定や、見出しの作成、校正については社内で行い、ライティングだけ外注するパターンが多いでしょう。
外注先を探す手間や費用が発生しますが、何十本も記事を作成したい場合や自社内で行う工程を割きたい企業にはおすすめです。
キーワード選定やSEO分析などを外注する場合、効果アップのノウハウやアドバイスを取り入れることができるため、効果が出やすくなる可能性もあります。
2.目標・KPIの設定
とりあえず周りがやっているからといった理由で目標を決めずにコンテンツマーケティングを始めても、思ったような効果が得られないことが多いでしょう。
企業の経営と同じように資金や人材を投資するという意味でコンテンツマーケティングを行う上でも、目標は何かどのくらいの期間で達成するのかといった明確な目標とKPI(※)の設定は必須です。
(※)KPIとはKey Performance indicatorの略で業績を評価する際に重視する数値や指数のこと。
企業のブランディングや商品の認知度アップ、また問い合わせや購入件数アップなど目指す目標によって作成すべきコンテンツの目的は異なります。
コンテンツマーケティングの最終目標はコンテンツの作成配信によって見込み客を育て自社商品の購入を促すことであるため、先程あげたような目的は、見込み客が自社商品を購入するためのは重要な指標=KPIだといえるでしょう。
KPIの例はページへの訪問数、資料やカタログのダウンロード数、滞在時間、検索による流入数などです。
目標が達成できているかどうかをKPIで計測することで、達成率の確認や問題点の洗い出しが容易となります。
3.ペルソナの設計
ペルソナとは商品のターゲットの人物像をある特定の1人まで絞り混んで設定することで、新しい商品を開発するときや売上拡大したいときに有効な手法です。
性別や年齢、職業、家族構成、趣味、休日過ごし方などターゲット像を絞り込むことで、ユーザーの持つ不安や疑問が明確になります。
それにより「どのようなコンテンツに興味・関心を持つのか」といった具体的なアプローチ方法やコンテンツマーケティングの戦略だてが設計しやすくなるのです。
4.現状の分析、戦略立案
次にコンテンツを作成する方向性を決めるために現状の分析を行いましょう。
事前に立てた目標に対して、現状達成できていることや未達成のものは何かを洗い出します。
設定したペルソナが「商品を知ったきっかけは何か」「どのようなキーワードで検索したのか」「なぜその商品を欲しいと思ったのか」などの情報を整理し、コンテンツのテーマに活かしましょう。
ペルソナ以外にも、自社が属する業界や市場、競合他社の動向などの外部の状況把握や、自社の営業社員や顧客にアンケートを実施し、「どのようなコンテンツがあるといいのか」「どのようなことで困っているか」など内部の調査・分析を行うことでコンテンツ作成の方向性が見えてきます。
「ペルソナが求めているもの」と「自社が伝えたい情報」の2軸で考えることがポイントです。
現状分析が終わったら次は戦略立案です。
カスタマージャーニーマップやコンテンツマップを作成し、「どういう情報を」「どういう順番で」伝えるかを明らかにします。
見込み客を認知から購買に導くためにはどうしたらいいのか、を考えることが重要です。
コンテンツの方向性や作成タイミングなどが決まったら、最後にコンテンツの配信媒体を決めます。
同じ内容でも伝えたい相手によって適切な媒体は異なるため、自社の目的やターゲットを考慮しコンテンツを発信する媒体を選定しましょう。
5.キーワード選定
コンテンツを作成するときにまず決めるのがキーワードです。
ペルソナが「何に困っているのか」「何が知りたいのか」を考えて、どのようなキーワードで検索するのかを考えましょう。
また、自社が作成したいコンテンツをもとに「どのようなキーワードで検索されることが多いか」も洗い出します。
1つの事柄に対してさまざまなキーワードで検索されることが考えられるため、考えうるすべてのキーワードを抽出し、選定してくことが重要です。
キーワードの抽出や選定をする際はGoogleのキーワードプランナーやUbersuggest(ウーバーサジェスト)などのツールを活用するといいでしょう。
6.見出しの作成
キーワードごとにコンテンツの内容を決めていきましょう。
記事の大まかな順番を、各項目のタイトルである「見出し」を使って作成していきます。
ただ伝えたいことだけで見出しを作成してしまうと、情報の漏れやユーザーが読みづらい内容となる恐れがあるため、以下のポイントを押さえることが重要です。
《見出しを作成するときのポイント》
・キーワードを検索する人物は何に困っていて、何が知りたいのか
・どのような内容が記載されいていたら嬉しいか
・どのような順番で記載されていれば読みやすいか
(似たような情報は1つの見出しにし、要素の重要性に応じて1-1,1-1-1のように順番をつける)
構成が完成したら、以下をチェックしましょう。
・内容に過不足がないか
・記事の流れは自然で、ユーザーが知りたい順番か
・記事の展開はユーザーを惹きつけるか
見出しはユーザー目線に立って作成することがポイントです。
7.ライティング
見出しをもとに記事を執筆していきます。
ライティング時に気をつけるべきポイントは以下です。
《ライティング時に注意すべきポイント》
・専門用語は使わず、誰が読んでもわかる言葉を使用する
・要点や結論を文頭に記載する
・適切に表や図、グラフを使用する
・データや情報を参考、参照、引用した場合は出典を明らかにする
・他コンテンツの文章や画像を使用するなど、著作権に抵触しない
コピペとみなされないよう独自の情報や体験談などをまじえ、オリジナルコンテンツを作成しつつ、ユーザー視点に立った読者が読みやすい文章の作成を心がけることが大切です。
8.校正
記事がで作成できたら以下のポイントをもとに校正を行います。
・日本語の誤りがないか
・読者が理解できるか
・情報源は確かなもので、誤りがないか
・情報源のサイト名やURLは貼られているか
読みやすさや情報の正確性ももちろん重要ですが、情報源となるサイト名を記載しURLが貼られているのかなど、著作権に抵触しないかどうかも確認しましょう。
9.効果測定の実施
コンテンツマーケティングは、コンテンツを作成しWebサイトに掲載すれば終わりではありません。
作成したコンテンツが、「届けたいターゲットに見られているか」「期待する効果を生んでいるか」などを効果測定し、達成したい目標に対してどのくらい結果を出しているかを知る必要があります。
事前に定めた目標・KPIをもとに、閲覧数や問い合わせ数、購入数など作成したコンテンツの配信結果を数値で拾い、目標に対する貢献度を測定しましょう。
10.PDCA
効果測定で得たデータをもとに分析し、より効果を生むための施策を考え実行するといったPDCAを回しましょう。
「期待する効果を出せていない理由は何か」「現状を改善するための施策は何か」「打ち手に対する結果はどうか」を定期的に行い、コンテンツの効果を高めることで、結果を出すコンテンツとなるのです。
PDCAを回し、一度作成したコンテンツの効果を高めていけば、資産となりより結果を生むコンテンツへと育てることができるでしょう。
11.ツールの導入
コンテンツマーケティングを継続して運用するためには、多くの工程が必要です。
そこで、コンテンツマーケティングを効率的に運用するための便利なツールを紹介します。
《SEO、キーワード分析ツール》「Pascal(パスカル)」
特徴:SEOやコンテンツマーケティングの作業時間を大幅短縮できるツールが使用できる
使用できる主なツール:競合分析、コンテンツ分析、キーワード分析、ランキング取得、など
《SEO、キーワード分析ツール》「TACT SEO(タクトSEO)」
特徴:キーワード選定や内部対策からコンテンツSEOまで対応するツールが使用できる
使用できる主なツール:自サイトと競合上位サイトの比較、キーワード分析、流入キーワード調査、自サイトや競合サイトのランキングの日単位計測・管理、など
《校正ツール》「文賢(ブンケン)」
特徴:基本的な校正機能だけでなく、文中の動詞や感情を示す言葉の言い換えを自動でおすすめしてくれる機能が搭載されている
使用できる主なツール:誤字脱字、重複表現、指示語などの校正ツール、独自の表記ルール・辞書・表現の登録、PC・スマホに合わせた文字幅の変更、など
まとめ
コンテンツマーケティングは即効性のある手法ではないため、成功するためには積雪なタイミングで価値の高いコンテンツを発信し続けることがポイントです。
自社の伝えたいことだけでなく、「ターゲットが何を求めているのか」「何に困っているのか」といったユーザー目線でコンテンツを作成しましょう。
長期的に継続していけば自社の売り上げアップや顧客の増加につながるため、まずはこの記事にかいてあることをもとに取り組んでみることをおすすめします。
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