リスティング広告

2018.11.13 (火)

リスティング広告の費用とその目安を決めるには

リスティング広告の費用とその目安を決めるには

WEB広告の中でも、定番となってきたリスティング広告。そんなリスティング広告のなかでも低額で広告が配信出来るクリック課金広告が注目を集めていますが、広告掲載費用を自分自身で設定出来ることもあり「費用の見当がつかない…。」という方も少なくないのではないでしょうか?

リスティング広告は1円から出稿することが出来ますが、必ずその金額で広告掲載が出来る訳ではありません。リスティング広告を配信するためには、キーワードに見合った適切な費用設定が必要になってきます。
今回は、リスティング広告における、費用目安や目標の決め方について解説していきたいと思います。

リスティング広告で発生する費用とは?

広告費用を低額で設定出来ることから、比較的安価に広告を運用することが可能なリスティング広告ですが、その仕組みを詳しく理解していますか?

広告を掲載しただけでは料金は発生しない、クリック課金制

クリック課金制とは、「掲載した広告がクリックされるごとに広告費用が発生する」仕組みの課金制度を指します。
1クリックされるたびに発生しているのがクリック単価。クリック単価は広告を出稿する際に設定する上限入札単価を越えない範囲で発生するものです。上限入札単価によって広告が掲載される順位や頻度が変わってくるため、リスティング広告でクリック課金制を利用する場合はしっかりとした費用設定が重要になってきます。

リスティング広告は1円から出稿可能?

リスティング広告には最低出稿額が定められておらず、何円からでも原稿を出稿することが可能であり、1円から広告を出稿することが出来てしまいます。
しかし先述した通り、リスティング広告は同じキーワードで出稿している競合広告とのオークション形式で広告掲載権を獲得するため、1円で出稿しても広告が掲載される確率は極めて低いです。

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クリック単価の決定する仕組み

クリック単価の決定する仕組み

広告を出稿する際に設定する必要のある上限クリック単価ですが、上限クリック単価はあくまで「入札する際の上限額」であるため、上限クリック単価がそのままクリック単価として発生する訳ではありません。

クリック単価は上限クリック単価の他に、品質スコアや広告ランク、掲載順位などのあらゆる要素によって決まります。なので、単純に上限クリック単価を上げたからといって、広告が絶対に上位に掲載されるという単純な仕組みではないのです。
入札単価は競合他社の広告ランク/自社広告の品質スコアから算出されているため、上限クリック単価だけではなく、自社広告の品質スコアもしっかりとあげておくことが大切ですね。

クリック単価と品質コストは無関係ではない?

定められた要素から広告の質を10段階で評価する品質コスト。実は、この品質コストとクリック単価は切っても切れない関係にあります。
品質コストは主に

  • 検索キーワードと広告テキストの関連性
  • 過去のインプレッションやクリック数による推定クリック率
  • ランディングページの利便性

上記3つの要素から評価が決まる仕組みになっています。
広告をこの3つの観点から評価し、品質スコアが上がると「品質が高く需要のあるページである」とシステム側に判断され、通常時より安価なクリック単価で広告を上位に掲載出来るようになります。

そのため、費用対効果の高い広告配信を行いたい場合は、広告の改善やランディングページのSEO対策もしっかりと行っていきましょう。

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クリック単価に関わる要素

業種商材時期知名度媒体など、あらゆる要因により、常に増減する場合があるのがクリック単価。クリック単価の相場は、商材によって異なります。

商材の特性と広告配信の時期にズレがあったり、配信する商材のメーカーやカテゴリの知名度などによってもクリック数は異なり、クリック単価にも影響が出てきます。
さらに、同じ商品の広告を出稿しても、広告を出稿するアドネットワーク媒体が違えば広告が掲載されるサイトが違うことはもちろんのこと、同一のキーワードでもアドネットワーク媒体によってクリック単価に差が生じます。

特にアドネットワーク間の違いは、広告を配信する上で最も重要な要素になりますので、自社商材を配信するのに最適なサイトと提携しているのはどのアドネットワークかをしっかり調査し、見極める必要があるのです。

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目標CPA(コンバージョン単価)を決める

クリック単価が決まる仕組みやクリック単価に影響する要素について知ったところで、次はリスティング広告の予算ついて考えていきましょう。

予算を決めるには、ます1件あたりのコンバージョン単価、いわゆるCPAを決める必要があります。1件あたりの獲得単価が決まったら、コンバージョン単価×目標獲得件数から必要予算が見えてくるはずです。

CPAを決定する方法としては、「売上単価の内、原価・人件費や利益分などを差し引いた金額を目標CPAとする」方法が最も簡単な算出方法です。売上単価の中から必要分の費用に加えて「利益分」を差引いた金額を目標コンバージョン単価とし、このコンバージョン単価を守った広告運用をすることで、確実な利益を得ることが出来ます。

許容できるCPA(コンバージョン単価)の上限をどこまで上げられるかがカギ

単純に、目標コンバージョン単価を設定し、そこから予算を算出するのは簡単です。
しかし、先ほどのように引き算形式で算出したコンバージョン単価では、入札競争において優位性は低くなってしまいます。

入札競争において最も重要なのが上限入札単価ですが、上限入札単価=許容できるクリック単価の上限とした場合、

CPA(クリック単価)=コンバージョン単価×コンバージョン率

という計算式から、上限入札単価を導き出すことが出来ます。

例えば、先ほどの計算式で算出された目標コンバージョン単価が3000円で、想定コンバージョン率が3%の場合、クリック単価及び許容できる入札単価の上限は90円となります。
次に、競合他社広告の想定コンバージョン率が同じ3%で、目標コンバージョン単価が5000円と自社より上限が高いとします。この場合、競合他社のクリック単価及び許容できる入札単価の上限は150円となります。

そうなると、入札競争において上限入札単価90円でしか入札することが出来ない自社広告よりも、上限入札単価150円の競合他社広告の方が優位になってしまいます。もちろん、広告掲載は入札単価だけで決められているわけではないため、上限単価が高ければ優先的に掲載されるというわけではありませんが、コンバージョン単価は少々高めに見積もっておくに越したことはありません。

許容できるクリック単価の上限が決まったら、許容クリック単価×目標獲得件数の計算式で必要予算を算出してみましょう。

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キーワードプランナーで金額シミュレーションする

上限入札金額を設定する際の目安は、計算式から導きだす以外にもあります。
それがキーワードプランナーというもの。各アドネットワークごとに名称は異なり、

  • Google広告(元:Google AdWords):キーワードプランナー
  • Yahoo!プロモーション広告:キーワードアドバイスツール

といった名称で提供されているサービスです。

キーワードプランナーではオーガニック検索キーワードのデータから、特定のキーワードの「検索ボリューム」「クリック数」「広告費用」などを予測し、グラフ化してくれます。
この便利な機能の使用方法についてご説明していきます。

Google広告(元:Google AdWords)の場合

  1. Google広告(元:Google AdWords)にログイン
  2. 左側のタブのキャンペーンをクリック
  3. 右上の「ツール」>「プランニング」にあるキーワードプランナーをクリック
  4. 検索のボリュームと予測のデータを確認するをクリック
  5. キーワードを入力

すると、現在の自分のプランによる翌月一ヶ月分の、「コンバージョン数」「平均コンバージョン単価」「クリック数」「表示回数」「費用」「クリック率」「平均クリック単価」「平均掲載順位」の予測データを表示してくれます。

表示されるグラフは横軸に上限クリック単価が固定されており、縦軸のグラフを選択することによって、希望する費用や目標のコンバージョン数などから想定される上限クリック単価を算出してくれます。そのため、目標コンバージョン数などから必要費用を決めたいという方は、キーワードプランナーを目安にしてみるといいでしょう。

Yahoo!プロモーションの場合

  1. Yahoo!プロモーション広告にログイン
  2. 「スポンサードサーチ」>「ツール」のタブをクリック
  3. 運用支援ツールにあるキーワードアドバイスツールをクリック
  4. キーワードまたはフレーズを入力し、あれば希望入札価格などの金額を入力する(空欄可)

すると、入力した条件に類似するキーワードと共に、1日あたりの「推定CPC(平均クリック単価)」「推定掲載順位」「推定クリック率」「推定インプレッション数」「推定クリック数」「推定コスト」を表示してくれます。

こちらはGoogle広告(元:Google AdWords)のキーワードプランナーと違い、類似するキーワードまで算出してくれるので、どんなキーワードで広告を出稿するといいのかの目安にもなるため、オススメです。

 

具体的な数値を算出してくれるキーワードプランナーとキーワードアドバイスツールですが、どちらも「これまでのデータを基にした目安」でしかありません。予測データと同じ結果を保証するサービスではありませんので、そのことを念頭に置き、必要費用の算出にお役立てください。

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外注と社内運用(インハウス)における予算の違い

リスティング広告の運用は、広告会社に外注という形で運用を行ってもらうケースと、自社内で運用するインハウスケースの二通りがあります。
広告運用を外注に任せる際の注意点や、インハウスで運用する際のメリット・デメリットとは?予算面の観点から、それぞれの特色を説明していきます。

インハウスでの広告運用

社内で広告運用を行う一番のメリットは、「手数料がかからない」事にあります。総費用で考えれば、外注よりインハウスで広告運用を行う方が費用を抑えられるという事は火を見るより明らかですよね。その為、社内に経営やビジネスに精通した人材がいれば、インハウスでの広告運用が得策と言えます。
しかし、しっかりとリスティングの仕組みについて理解しないまま運用を開始してしまうと、後に費用対効果の悪さや成果率の悪さなどのあらゆる問題が浮上し、コストパフォーマンスが悪くなってしまうことも。リスティング広告の運用は、常にマーケターの運用スキルが求められます。

とはいえ、リスティング広告は、広告を出稿して、予算をしっかり確保しておくことが出来れば、あとは自動で簡単に配信することが出来ます。
そんな中、費用対効果を考え効率よく広告を配信するには、常日ごろからのチェックに加え、適切な改良を重ねていかなければなりません。そのため通常業務の片手間で運用するには負担が大きく、負担に感じることもままあるでしょう。
バージョンアップする機能や常に変動する市場に合わせて充分な施策を行うには、本腰を入れて広告運用をする必要があります。

そういった際に選ばれるのが外注での広告運用になります。

外注先を選ぶ際の諸注意

外注でのリスティング広告運用を考えた時、費用対効果を考えて検討する事がなにより大切になってきます。先述した通り、お金を回すだけなら、広告を入稿し適切な初期設定を行い、費用を確保しておけば勝手に広告は掲載される仕組みになっています。ここまでは、インハウスで管理する事は容易です。
しかし、外注に依頼し手数料を上乗せで運用してもらうのであれば、それなりの費用対効果を求め無ければなりません。外注先選びに失敗してしまうと、ただ費用を無駄にしてしまいます。
そういったトラブルを避ける為にも、業者を下記の観点からしっかりと見極め、依頼することが重要です。

  • 予算にあった業者を見極める
  • 相場と手数料の著しいズレが無いかを把握しておく
  • 運用体制を確認し、把握しておく
  • コミュニケーションがしっかり取れるかどうか
  • アカウントの取り扱い方法について確認する

適切な施策を行ってくれる外注先を選ぶことが出来れば、インハウスでの運用よりも費用対効果の高い広告運用を期待することが出来ます。
損をしない広告運用のためにも、外注先の見極めはしっかりと行いましょう。

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まずはお試しで作業負荷を知る

これからリスティング広告を出稿するにあたり、「予算の算出はしたものの、実際にその単価でどの程度運用できるのか不安…。」という方もいれば、広告運用をインハウスで行うか、外注で依頼するか、まだお悩みの方もいるでしょう。どちらにもメリットがあり、デメリットも存在します。

そんな時にまず試してみてほしいのが、各アドネットワークでのキャンペーンを利用した試運転です。
Google広告(元:Google AdWords)とYahoo!プロモーション広告、どちらも新規出稿者に向けて「〇〇円分の広告が出稿できる!」という新規キャンペーンを行っていることが稀にあります。そのキャンペーンを利用し、広告のお試し運用を行ってみるというのも、一つの手です。
上記のようなキャンペーンを使用して試しに広告を運用してみることで、想定していた上限入札単価では日当たりどの程度のクリック数になるのか、数日でどの程度の費用がかかるのかなど、実際のデータを収集することが出来ます。

さらに実際に運用してみる事によって、インハウスでも運用出来るのかどうか、外注に任せた方が効率がいいのかどうかを検討するための1つの判断材料にもなります。

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予算の決定は慎重に

予算の決定は慎重に

リスティング広告は、「誰でも低予算」かつ「自由な価格設定」で「簡単に運用できる」という魅力があります。自由であるが故に、予算設定や運用方法などで頭を悩ませる方も少なくないでしょう。
専門性が高く、一定以上の知識と時間も必要としてくるため、まずは自社に合った運用方法・予算についてしっかりと考える必要があります。
予算が決まれば、リスティング広告の運用まであともう少し!
各アドネットワークで提供されているサービスや予算の算出方法を上手く利用しながら、適切な予算設定を行いましょう。

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