コンテンツマーケティング
2019.01.25 (金)
キュレーションサイトは危険?浮き彫りになった問題点とは
昨今において、いわゆる「まとめサイト」と言われるキュレーションメディアが多数存在しています。
私たちに身近なのは、WEB上で検索とすると上位表示される「NEVERまとめ」や、人気の「グノシー」「スマートニュース」などでしょう。
こういったキュレーションサイトの本来の目的としては、インターネット状の情報をまとめることとされていましたが、現在は、このキュレーションに関する問題が広がり続けているのをご存知でしょうか?
ここでは、実際に起こったキュレーションサイトの問題を取り上げながら、キュレーションサイトが持つ問題点を考えていきます。
▼目次
実際のキュレーションメディアで起こった事件
「キュレーションメディアの何が問題なの?」という人のために、まずは実際に問題視された事件について取り上げていきます。
なかでも、特に有名な3つの媒体についてご紹介します。
事例①:DeNAのキュレーションメディア
キュレーション問題として代表的なのが、DeNAが運営する約10の媒体です。
まず初めの騒動として、医療や健康情報を扱うメディア「WELQ(ウェルク)」が、薬事法違反や他のサイトからの無断掲載が多くみられることにより、ブログやメディアで炎上ことが発端となりました。
また、WELQ(ウェルク)などのサイト執筆において、他サイトからの盗用を推奨していると取れるマニュアルがあったことからも、大きく問題視されるようになったのです。
その結果、同じDeNAが運営している「MERY」「iemo」などの9つのキュレーションサイトも、他のサイトからの画像や文章の盗用が多いことが発覚し、全て掲載中止となりました。
さらには、ユーザーが自由に情報をまとめるキュレーションサイトをうたっていたのにも関わらず、実際は格安料金でライターに発注していたことも判明。クラウドソーシングで募集していたライターを起用していることから、本来のキュレーションサイトから逸脱したものになっていたというのです。
事例②:マイナビウーマン
「働く女性の恋愛と幸せな人生のガイド」をテーマに、マイナビが運営するキュレーションサイトにも、WELQ(ウェルク)と同様の問題が発生しました。
内容は、女性の生理日に関するヘルスケア関連の記事のことで、不適切ではない健康を害する可能性がある内容が含まれているなどで、ネット状での指摘が相次ぎました。
その結果、マイナビは対象の記事を削除し、この記事以外にも不適切な内容を含む記事があることを発表し、「マイナビウーマン」と「マイナビウーマン子育て」の一部記事が非公開にとなりました。
事例③:ヘルスケア大学
リッチメディア社運営による情報サイト「ヘルスケア大学」。
「5231名の意思が参画するヘルスケアの情報サイト」を打ち出しており、ドクターを始めとした専門家の協力のもと、主に医療や健康に関する情報を発信することがセールスポイントとなっています。
しかし、これらの参画医師にほとんど実態が無かったことや、600記事以上を削除または非公開にしていたことが調査で浮き彫りになったことで、大きな批判を浴びることとなりました。
さらには、「ガン」「ALS」という病気に関しても、網羅的な内容の記事を短期的に大量に用意することで、Googleのシステム対策をし、検索上位に表示されるように仕組まれていたことも分かりました。
記事の非公開に当たっても同社から詳しい説明はなく、過去に複数の意思から記事内容を指摘された際、「全記事を非公開にするべき」との指摘も応じていません。
現在は、サイトの信頼性の回復と向上を目標に「医療・健康情報の信頼性向上プロジェクト」の報告書が発表されたものの、ユーザーの信頼度は取り返しにくいと考えられています。
キュレーションメディアの問題点
3つの事例を見てもお分かりいただけるように、キュレーションメディアが問題視される共通点は、
・著作権を侵害した無断転載
・嘘や事実確認ができないコンテンツであること
です。
無断転載とは、コンテンツや画像を他のサイトから許可なくコピーして利用することで、著作権侵害に当たる可能性があります。
しかし、多くのキュレーションサイトでは「どこから情報を得たのか」が分からないようになっています。
そのため、本来の執筆者から見て「これは自分が書いた記事だ」「自分の写真が勝手に使われている」というように、著作権侵害による批判が続出しています。
また、嘘や事実確認不足の内容を発信することは、ユーザーに重大な被害を及ぼしかねません。嘘の内容を信じたユーザーが生活に影響を及ぼせば、単なる批判だけでは済まなくなります。
様々な情報が得られる便利なキュレーションメディアですが、制作側が細心の注意を払って、嘘が無いようにコンテンツを発信しなければなりません。
さらには、読み手側が「正しい情報と嘘の情報を取捨選択できる心構え」が重要と勧告されているのが現状です。
リライトでもグレーゾーンになる
キュレーションメディアが批判を受けやすい理由として、「リライト(書き直し)」が挙げられます。
リライトとは、意味合いは同じ文章でも完全なコピーではなく、文章のニュアンスや流れを変えているものです。
他の文章をそのままコピーするのは著作権侵害に当たりますが、リライトではどの文章が元になっているのかが明確には分からないため、著作権という法律をかいくぐりやすくなっています。
全てのキュレーションサイトがリライトを中心としているワケではありませんが、そもそもが”インターネット上の情報をまとめるサイト”という枠組みなので、他のサイトの文章を元にしていることが多いと言えるでしょう。
リライトをするキュレーションメディアがバッシングされる原因には、
・1から記事作成を行っているクリエイターが制動な権利を主張するため
・ネット情報を集めただけで信頼性が低いのに、サイト力の高さから検索で上位表示されるから
といったように、キュレーションメディアを良く思わないユーザーが多いからと言えるでしょう。
キュレーションメディアには「信頼性」が大切
キュレーションメディアは本来、情報をまとめてユーザーが便利に活用できることが目的とされていました。
しかし、著作権を守らなかったり、根拠のない情報をただ配信しているだけでは、ユーザーからの信頼もなくなってしまいます。
信頼できるキュレーションメディアにするためには、
・コンテンツの情報元が正しい情報か
・専門分野のコンテンツは、専門知識のある資格者がチェックしているか
・引用やコピーをしていないか(する場合は常識の範囲内か)
・正しい根拠がないのに断定するようなコンテンツを書いていないか
上記をすべてチェックすることで、質の高いキュレーションメディアができるはずです。
いろんなサイトから情報が発信・受信しやすくなった現在ですが、企業側も読者側も、正しい情報を伝えられる・活用できるように対策することが大切です。
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