記事広告
2018.11.27 (火)
記事広告(タイアップ広告)と純広告、より多くの集客を実現するには
インターネットでの集客に効果を発揮するWeb広告。一言でWeb広告といっても、その種類は数多く、自社商材にあった配信形態を見つけるのは大変ですよね。そんな数あるWeb広告ですが、広告の形式は大きく「純広告」と「記事広告」の2つに分けることができます。
それではその「純広告」と「記事広告」とは、一体何が違うのでしょうか?
近年需要が高まりつつある記事広告と、私たちの生活にもすっかり馴染んできた純広告についてもしっかりと理解し、より多くの集客を目指しましょう。
当記事では両広告を比較しつつ、記事広告にスポットを当てて説明致します。
▼目次
記事広告(タイアップ広告)と純広告の違いは?
それではまず、2つの特性を理解するために、両広告についてご説明します。
純広告とは
純広告とは、インターネットを利用する中で私たちが「広告だ」と認識している、ごく一般的な広告です。テキスト広告・バナー広告など、広告感の強い広告がこれにあたります。正確にはテキスト広告も含みますが、画像で表示されるディスプレイ広告に近いイメージで大丈夫です。
純広告にはテキスト広告、バナー広告、動画広告など、実に多くの種類が存在し、配信したいサービスによって最適な広告配信を行う事が出来るため、一般的にWeb広告といえば純広告で配信されていることが多いです。
純広告は一目見て「広告」とわかりやすいため、ブランディングなどを狙った露出効果を求めて用いられることが多いです。例えば、バナー画像や動画を用いた広告は、一目でどこのメーカーのどこの商品だということが分かりますよね。
純広告は、ターゲティング機能を活用した特定の条件に当てはまるユーザーへの広告配信を行う事も出来るため、既存顧客や見込顧客だけではなく、顕在顧客にもアプローチをかけることが可能です。さらに純広告は潜在層へのアプローチもかけやすいため、より多くの人に広告を配信したいといった場合でも、純広告は向いていると言えます。
純広告の形態
広告を配信する各アドネットワークによってサービス内容は異なりますが、純広告を配信する場合あらゆる保証がされる場合もあります。広告の表示回数や閲覧回数保証や掲載期間の保証、クリック回数の保証など、設定した指数までしっかり広告を掲載・配信してもらえるため、保証を求めるならば純広告での掲載がオススメです。
記事広告(タイアップ広告)とは
記事広告とは別名タイアップ広告とも呼ばれる、特定のメディアに記事を書いてもらう記事型の広告を指します。タイアップとは「協同・提携」という意味を持ち、タイアップ広告は「協同・提携して作成して配信する広告」という意味になります。
自社商材のランディングページをそのまま広告配信するのではなく、広告を配信したいメディアで「そのメディアの記事として商材を取り上げてもらう」形式の広告になるため、通常の記事と同じように広告を読んでもらえるという利点があります。
記事広告は特定のメディアと連動して掲載されるため、ユーザーの広告に対するストレスや違和感を軽減し、通常の記事を読むような感覚で広告を読んでもらうことが可能です。
さらに1記事として確保される記事広告は、通常の純広告に比べて掲載面のスペースが圧倒的に広く文字数も多く確保することが出来るため、訴求力のある広告を掲載することが出来ます。
記事広告と純広告の掲載例
記事広告と純広告、それぞれの特性を理解したところで、各広告がどういう風に掲載されるのかを見てみたいと思います。
純広告
どなたでも見覚えのある馴染み深い広告がこの純広告です。
Yahoo!Japanの場合、画面右側に掲載されるバナー広告が純広告にあたります。純広告は他にも、ニコニコ動画や各新聞社のメディアなどにも掲載されるため、顕在層から潜在層まで、あらゆるユーザーへのアプローチが可能です。
また、バナー広告であれば一目でどういった商材なのかが分かるデザインになっているため、ブランディングにも適したデザインでの広告配信が行えます。
記事広告
一見すると記事のようにみえるデザインになっているのが記事広告の特徴です。
ファーストインプレッションで広告感のないデザインは、ユーザー側が広告に対して感じるストレスを軽減します。さらに、読み物型の広告になっているため、ユーザーへの訴求もより自然に行うことが出来るという利点があります。
記事広告と純広告におけるメリットとデメリット
それでは記事広告と純広告、両広告への理解を深めていく前に、それぞれのメリットとデメリットを簡単に見ていきましょう。
メリット比較
記事広告の場合
・メディア媒体の信頼性を借りられる
大手メディアなどの広告枠に広告を掲載する場合、ユーザーからのメディア媒体への信頼度によって、掲載された広告への信頼度も左右されます。特にブランディングを意識した広告配信の場合は、必ずメディア媒体への信頼度も考慮して選びましょう。
・客観的な記事は信用されやすい
記事広告を作成するのはメーカーのマーケターではなく、出稿先メディア媒体のライター、いわゆる消費者です。社内のマーケターが訴求をする純広告よりも、社外の1消費者であるユーザーが客観的な記事を作成することで、客観的なクチコミとして他消費者にも信用してもらいやすい傾向があります。
・認知度を高めやすい
1つの読み物として作成される記事広告は、よりユーザーからの認知度や理解度を深めるために適したフォーマットであり、商材の良さや魅力を伝えるには最適な広告となっています。コラム形式、インタビュー形式、クチコミ形式など、さまざまな形式で作成することが出来るため、その商材や広告配信的に合わせた広告を作成することが出来ます。
純広告の場合
・露出効果が期待できる
純広告の場合、広告を入稿したアドネットワークのあらゆる提携メディアに広告を掲載することが出来るため、露出効果があります。さらにバナー広告で出稿する場合、短期間で集中的に広告を掲載することも出来るため、キャンペーンなどの告知がしやすくなります。
・ターゲットを絞ってアプローチ出来る
純広告を配信する際に、既存顧客へのリマーケティング、性別・年齢・地域、インターネット上の行動履歴などから、顕在層~潜在層にターゲットを絞って広告を配信することが出来ます。
・目標指数までしっかりと広告を掲載してもらえる保証がある
純広告の場合、「期間保証型」「インプレッション保証型」「ページビュー保証型」など、あらゆる保証の上で広告を掲載出来るケースもあります。この場合、確実な掲載期間が保証されたり、インプレッション数やページビュー数が目標数値に達するまで広告が掲載される保証など、さまざまなオプションが用意されています。
デメリット比較
記事広告の場合
・リーチ出来る層が少ない
記事広告の場合、出稿するメディア媒体の閲覧ユーザーがメインターゲットになります。基本的に記事広告はそのメディア媒体でしか露出されないため、多くの提携メディアに配信される純広告よりリーチできる人数は少なくなるケースもあります。
・掲載までに手間と時間がかかる可能性も
記事広告は外注という形で広告を作成するため、出稿先のメディア媒体と定期的に打ち合わせを行う必要があり、自社内で広告を作成し出稿するだけの純広告に比べて手間や時間がかかってしまう傾向にあります。
純広告の場合
・目的を明確にしないと成果に繋がりにくい
基本的に純広告はバナー広告が主流であるため、情報量が少なくなってしまいがちです。「知名度をあげたい」「コンバージョンを増やしたい」など、広告を掲載する目的を明確にしておかなければ、限られた広告枠での訴求があやふやになってしまい、成果に繋がりにくくなってしまいます。
・人気メディアの広告枠は高額
高い露出効果が望める大手メディア媒体に純広告を掲載する場合、それなりの予算が用意出来ないと広告を掲載するのは難しいです。ブランディングや知名度をあげるという目的での広告配信であれば適していますが、コンバージョン単価は良くない傾向がみられ、目的によっては割高になってしまう恐れもあります。
記事広告の活用法
従来の純広告はともかく、記事広告ってどうやって活用したらいいのかが分からない。そんな方も多いのではないでしょうか?
記事広告を有効活用するために、記事広告の活用法について簡単にご紹介します。
記事広告と純広告はどうやって使い分ける?
それぞれの特徴が異なる記事広告と純広告とは、自社商材やその目的によって使い分ける必要があります。
記事広告は、ブログやコンテンツのような記事形式で広告が掲載されるため、関心のある人や暇つぶし目的で広告をクリックしたユーザーにもしっかりと目を通してもらいやすくなります。そのため、じっくりと訴求を行いたい場合は記事広告がオススメです。
純広告は、「インパクトを与えたい」「ブランディングを行いたい」といった場合にオススメの広告です。バナー広告のように視覚情報で訴求を行う純広告と違い、通常のコンテンツのように読み物として掲載される記事広告ではインプレッション時のインパクトが弱いため、とにかく多くの人の印象に残したいという場合は純広告がオススメです。
記事広告での展開には無限の可能性がある
広告を配信する際に、「キャンペーンの告知」「認知度の向上」など、あらゆる目的や指標を設定すると思います。その目標に合わせて広告を出稿する時、記事広告で有利になるのが圧倒的な掲載面の広さと文字数です。
どんなに魅力のある商材やサービスだったとしても、純広告では規定のバナーサイズや文字数でしか訴求を行えないため、広告の情報が不足してしまうとコンバージョンはもちろんのこと、クリックにも繋がらなくなってしまいます。
商品の魅力をより多く伝えるために、掲載面や文字数は多く確保する必要があります。記事広告の内容は商材に合わせて柔軟に展開することが出来るため、商材に合わせた訴求を深めたい場合は、記事広告の方がより向いているでしょう。
記事広告は掲載して終わりではない
広告を出稿した後も運用や監視を行わなければいけない純広告と違い、掲載後の運用が不要な記事広告ですが、掲載して「ハイ終了!」というわけではありません。
記事広告には通常、抜き刷りという活用方法があります。記事広告を掲載したページを印刷し、紙媒体での広告にするという手法です。業界メディアに掲載されたという事実や、メディア掲載した内容を紙媒体にすることでDM発送や無料配布などに再利用することが出来ます。
私たちの生活にも広く普及してきたインターネットですが、「出所が不明瞭になりがちなインターネット上の情報は信用するに足りない」と感じているユーザーも多く、まだまだ紙媒体メディアへの信用度の方が強い傾向にあります。
抜き刷りを行うことによって、インターネットを利用しない世代の方にも商材を知ってもらうきっかけにもなるため、抜き刷りはプロモーション展開の観点からみても強みになるでしょう。
記事広告の掲載方法は2通り!
各メディアのコンテンツスペースを頂いて広告を掲載する記事広告ですが、実はその記事広告を書いてくれる人(メディア)にも2パターンあります。
- 各会社のメディア媒体
- ブロガー系インフルエンサー
それがこの2パターンです。
①メディア媒体に記事広告を掲載する場合
最も一般的なのがこの「メディア媒体に記事広告を掲載する」方法です。
大手の媒体にもなると、あらかじめ記事広告(タイアップ広告)用スペースが確保されており、問い合わせをするとすぐにそのメニューを用意して貰える場合もあります。もし記事広告用スペースが確保されていない場合でも、「実は広告枠が存在する」「相談次第では掲載が可能」なケースもありますので、まずは記事広告の掲載を希望するメディア媒体に問い合わせてみるといいでしょう。
②インフルエンサーに依頼する場合
amebaブログなどのブログサービスを始め、Twitter、Instagram、facebookにアカウントを所有するインフルエンサーに広告を書いてもらう方法もあります。インフルエンサーとは世間に与える影響力が多い人を指し、ブロガー・インスタグラマーなどという言葉でも親しまれています。
メディア媒体に掲載される読み物風記事広告とは違い個人のアカウントから発信してもらうことによって、
「実際に使用したというユーザー目線の感想」
「身近な人のリアルな口コミ」
が、大きな効果をもたらします。特定のジャンルに長けたインフルエンサーが商品を紹介することで、ターゲットマーケティングはもちろんのこと、消費者の意思決定に大きな影響を与える広告を配信することが出来るのです。
中でも、TwitterはRT機能というワンタッチで該当記事を自分のアカウントをフォローしているユーザーへと拡散する機能が備わっており、SNSの中でも比較的拡散されやすい特性を持っているため、より多くのユーザーへの拡散・共有を望む場合はTwitterを起用するのが得策とも言えます。
そんなインフルエンサーマーケティングですが、インフルエンサーへの記事作成依頼の方法にも、3パターンがあります。
インフルエンサーに直接依頼する
個人ブログやアカウントを持つインフルエンサーに、記事広告を作成してもらう方法。事務所や特定のネットワークに在籍していないインフルエンサーへは、直接連絡を取り、記事広告の作成を依頼します。
単純にフォロワー数やPV数などから選ばれる場合も多いですが、どういったターゲット層のユーザーに見られているアカウントか、どんなジャンルに長けたインフルエンサーかなどの調査も必要となってきます。
ブロガーネットワークへ依頼する
一定以上のPV数やフォロワー数を誇るインフルエンサーを統括しているマーケティングサービスを行う企業に依頼をかけ、インフルエンサーに間接的に記事広告依頼をかける方法もあります。
インフルエンサーを束ねているマーケティングサービスには、あらゆるジャンルに影響力のあるインフルエンサーが在籍しており、依頼を発注することで希望に適したインフルエンサーを見つけてもらうことが出来る、いわゆるマッチングサービスです。
そのインフルエンサーが長けているジャンルや、影響のある年代・性別などまで把握している場合もあり、自社商材が狙うターゲットへの的確なマーケティングを実現してくれます。
特定ブログASPへ依頼する
広告の掲載を希望する特定のサービスへ依頼を発注し、インフルエンサーへの依頼をかける方法です。
例を挙げると、amebaブログで提供されている「Ameba芸能人・有名人ブログ記事マッチ」がこれにあたります。
amebaブログにアカウントをもつ芸能人や有名人を活用したプロモーションを行うことによって、「認知の拡大」「ユーザーの誘引」「ブロンドロイヤルティの向上」を期待できるサービスとなっています。
参考:http://stat100.ameba.jp/ad/mediaguide/2015_10-12/2015_10-12_Ameba_OfficialBlogger.pdf
記事広告の注意点
記事広告について理解が深まってきたところで、記事広告の作成の依頼をする際に留意しておきたいポイントについてまとめてみます。
記事広告の重要ポイント
各メディア媒体へ記事広告の作成を依頼する際は「記事作成費用+広告掲載料」の両方を合計した金額を事前にリサーチしてきましょう。
メディア媒体によっては記事作成費用と広告掲載料が別である場合や、この両方をまとめて広告費用としている場合がありますので、料金形態についてはしっかりと把握しておく事によって、金銭トラブルを回避することが出来ます。
記事広告の問題点
記事広告のタイアップメニューがあるメディア媒体の中には、「通年の広告クライアントであること」もしくは「純広告との同時掲載」が条件であるケースもあります。
単発での記事広告掲載が受け入れられない可能性もあるため、広告の掲載回数についても確認しておく必要があります。
記事が広告であることを明確にする
記事広告を掲載するうえで懸念されるのが、その記事がステルスマーケティングに当たらないかという問題です。以前に食べログでもステマ騒動が巻き起こり、ステルスマーケティングに非難が集中したこともあり、現在では消費者はステルスマーケティングに対して厳しい目を持っています。
記事広告はネイティブアドの1つとされており、ネイティブアドを作成する場合は、広告内にPRや広告と明記することが定められており、広告の明示性を満たせない場合は記事広告とは呼べず、ステルスマーケティングと認定されてしまいます。
そのため、ステマ広告と非難を浴びないよう、記事広告内には広告であることを明記しておきましょう。
参照:D.A.Consortium訳 IAB ネイティブアド・プレイブック
広告料金
記事広告も純広告も、その掲載料金はピンからキリまで。特に記事広告(タイアップ広告)を出稿すつ場合の相場等はメディアによって大きく異なるため、広告を出稿したいメディア媒体を見つけたら、まずは直接問い合わせをしてみましょう。
大手メディアなど、あらかじめ記事広告(タイアップ広告)の出稿メニューがある場合は「メディア媒体名(サイト名) 媒体資料」などで検索してみると、インターネット上で媒体資料を確認出来るかもしれません。
記事広告か純広告、正解は無い
一般的に記事広告は「認知度を高めるため」、純広告は「知名度を上げるため」という使い分けをされる傾向がありますので、もしどちらのメリットもデメリットも考慮した上でどちらの方法で出稿するか迷ってしまった場合は、参考にしてみるといいでしょう。
どちらの広告でも、訴求次第でいくらでもコンバージョンに繋がる可能性を秘めていますので、自社商材の特性を理解し、どちらでの広告配信が最適化を見極める必要があります。