リスティング広告

2021.03.19 (金)

Google 広告| アトリビューションモデルの違いを解説

Google 広告| アトリビューションモデルの違いを解説

多くの広告を配信しているなかで、「どの広告が成果につながったのか」「どの広告に予算を使用するべきか」を分析するとき、アトリビューション分析が有効です。アトリビューション分析を活用すると、「コンバージョンに至った経路の中から直接成果にむすびついたものはどれなのか」「どのくらい成果に結びついたのか、その貢献度を知りたい」といった疑問を解決するのに役立つのです。

多くの広告運用経験のある私たちが、アトリビューション分析とは何なのか?から、向いてるケース、主な5つのモデルまで詳しくお話しします。
この記事をよく読んで、適切な成果の分析ができるよう、日々の広告運用に活かしてくださいね。

「アトリビューション」はなぜ必要?メリットなど

「アトリビューション」はなぜ必要?メリットなど

アトリビューションはなぜ必要なのでしょうか。
ここではアトリビューションとは何かという基本部分から、メリットを踏まえてアトリビューションの必要性をお話しします。

◆アトリビューションとは
アトリビューションという言葉には以下の意味があります。

・【名詞】アトリビューション(attribution):帰属、(人・物の)属性
・【動詞】アトリビュート(attribute):ある物・事(の原因)が(…に)あると考える、…の結果[おかげ]であると考える

アトリビューションという言葉はもともと金融業界で使われていました。ファンドやポートフォリオのうち、どの株や債権が利益やリターンに貢献したのかをさまざまな面から分析するためにアトリビューションを活用した分析が使われてきたのです。この手法は現在、マーケティングの領域のうち特にWeb広告でよく使われています。

Web広告におけるアトリビューションについて確認しておきましょう。

◆アトリビューション分析とは
マーケティングやWeb広告業界におけるアトリビューション分析とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接した広告やメディアの履歴をもとに、コンバージョンへの貢献度を分析する手法です。さまざまな方面から分析を行うことで、より正確に効果検証することができます。

◆アトリビューション分析が必要である理由
ユーザーがコンバージョンに至るまでに接している広告やメディアはひとつではありません。
アトリビューション分析では、ユーザーが接したすべての広告のコンバージョンへの貢献度を分析します。複数の広告やメディアを経由してコンバージョンに至っているため、コンバージョンが発生する直前の接点だけを評価し分析しても正しい分析はできません。コンバージョンが発生する直前の接点だけを評価し分析を行ってしまうと、商品やサービスを知ってもらう重要なきっかけであった広告を正しく評価することができず、適切な費用設定や配信設定ができないまま広告を配信してしまうのです。

アトリビューション分析が重要であることがわかる例をひとつ見てみましょう。

あなたが携帯電話を買いたいと思い、どの機種にしようか悩んでいるとします。
探し方はさまざまで、インターネット検索で「携帯 おすすめ」と検索することもあるでしょうし、携帯会社から調べることもあるでしょう。
商品・サービスを比較検討しているユーザーに対してリスティング広告やバナー広告を打ち出すことで、商品・サービスの名前や性質を知るきっかけとなります。
上記以外にも、ブログやFacebook、Instagram上でたまたま目に入ったバナー広告が商品やサービスを知るきっかけとなり、購入に至ることもあるでしょう。
スマートフォンの普及により、いつでもどこでも簡単に情報を得ることができるようになったことで、コンバージョンするまでに接する広告やメディアはさまざまです。

このように、コンバージョンする直前の接点以外にもコンバージョンに至るまでの接点はひとつではないため、適切に評価、分析をしなければ広告の効果をあげることはできません。
広告の効果を高めるためには、コンバージョンに関係するあらゆるデータを数値化し、適切に分析する必要があります。
しかし、コンバージョンに至るまでの経路が複雑であることから、どの接点がどのくらい影響度があり、どの程度注力すべきなのかをピンポイントに知ることは難しいとされていました。

アトリビューション分析を用いることで、すべての広告の効果を分析することができるようになり、影響度の高い広告はどれで見直すべき広告はどれなのかを見極め、効果的な広告戦略を立てることができるようになったのです。

このようにアトリビューション分析は、

・コンバージョンに至るまでの複雑な経路の中から、どの接点がどのくらいコンバージョンに影響したかが可視化できるため、正しく評価、分析することができる
・直接コンバージョンにつながることは少ないため、効果が測定しにくいSNSの効果を正しく評価できる
といったメリットをもっています。

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アトリビューション分析に向いているケースについて

広告運用においてアトリビューション分析が有効であるとお話ししましたが、すべての場合に当てはまるわけではありません。

アトリビューション分析に向いていて効果を発揮するケースと、向いていないケースについて詳しく説明します。

◎アトリビューション分析に向いているケース
アトリビューション分析に向いている商品の特徴は以下です。

・BtoB向けの商材や高額な商品のように比較的検討期間が長い商品
・コンバージョンまでにユーザーが複数の広告やメディアを経由している商品
・コンバージョンにつながったキーワードが偏っている商品
・商材名で検索されてからコンバージョンした割合が多い商品
・リターゲティング広告の成果は出ているものの、サイトからの売り上げが増えていない商品

上記にあてはまったり、「コンバージョンに影響している広告がわからず費用対効果が判断できない」といった課題を抱えているのなら、アトリビューション分析が効果を発揮しやすいでしょう。

×アトリビューション分析に向いていないケース
以下のような商品は、アトリビューション分析による成果は期待できないでしょう。

・認知されてから購入までの検討期間が短い商品
・類似商品を扱っている企業が多く比較検討されにくい商品
・おまけ付きの商品や手に入りやすい安価な商品

上記のように、コンバージョンに至るまでの経路が複雑でない場合はアトリビューション分析に向いていません。

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各アトリビューション分析のモデル6種類を解説

すべての商材にあてはまるアトリビューションはないため、6つのモデルが存在します。
それぞれコンバージョンに至るまでの評価の方法や貢献度あいの割合など特徴が異なるため、商材やターゲットに合わせて適切なアトリビューションモデルを使い分けましょう。

モデル 特徴
ラストクリックモデル(終点モデル) ・コンバージョンする直前に接触した広告やキーワードのみを評価し、貢献度合いを100%割りあてる。

・確実にコンバージョンにつながったものを評価するため、費用対効果が合わせやすい。

・期間限定のキャンペーンのような短いサイクルの施策に向いている。

ファーストクリックモデル(起点モデル) ・コンバージョンに至ったユーザーが最初に接した広告やキーワードのみを評価し、貢献度合いを100%割りあてる。

・新規ユーザーとの接点を分析できるため、どのキーワードが効果的なのかを計測したい時や新商品など広く認知させたい時に向いている。

リニアモデル(線形モデル) ・コンバージョンに至ったユーザーが接触した広告に対し、貢献度合いを均等に割りあてる。

・ユーザーが接触した接点をすべて均等に評価するためには、ある程度まとまったデータ量が必要となる。

減衰モデル ・コンバージョンに至ったユーザーが接触したすべての広告に対し、コンバージョンに近い広告やメディアほど貢献度合い高く割りあて、遠くなるほど貢献度を低く割りあてる。

・期間限定のキャンペーンのような短いサイクルの施策に向いている。

接点ベースモデル ・コンバージョンに至ったユーザーが接触したすべての広告に対し、最初と最後に接触した広告やメディアの貢献度合いを40%ずつ割りあて、残り20%を他のクリックや経路に均等に割りあてる。

・コンバージョンに至ったきかっけや決定にどの広告が影響したのか知りたい時や新商品など広く認知させたい時に向いている。

データドリブンアトリビューションモデル(DDA) ・すべての経路を評価した上で、機械学習に基づいたアルゴリズムによって貢献度を割りあてる。

・利用するためには、一定量のコンバージョンデータが必要となる。(次項参照)

自社の戦略や目的に合わせて適切なアトリビューションモデルを選ぶことが重要です。適切に活用できれば、どの広告を改善すべきでどの広告に注力すべきなのかなのかといった広告の予算配分を判断することに役立ちます。

アトリビューションモデルの中でも、ラストクリックはコンバージョンに一番近い接点を評価するモデルです。比較的費用対効果が合わせやすいモデルであるため、慎重に広告配信を行っていきたい場合はラストクリックから取り入れてみましょう。

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データドリブンアトリビューションの注意点

データドリブンアトリビューションの注意点

データドリブンアトリビューションモデルでは、過去に起こったすべてのコンバージョン経路の履歴や情報をもとに評価し貢献度を割りあてます。
コンバージョンにつながる広告やメディアを正確に評価するためには、データドリブンアトリビューションモデル導入時に一定量のコンバージョンデータが必要です。

どのくらいのコンバージョンデータが必要なのか、Googleでは以下のように定義しています。

アカウントで「データドリブン」モデルをご利用いただくには、一般的な目安として、過去 30 日間にサポート対象ネットワークでの 3,000 回以上の広告インタラクションと、各コンバージョン アクションに 300 回以上のコンバージョンが必要となります。

 

引用:Google広告ヘルプ:データドリブン アトリビューションについて

一定量のコンバージョンデータがないと、データドリブンアトリビューションモデルを選ぶことができないため注意が必要です。また、データドリブンアトリビューションの導入後も以下の点を気をつけなければなりません。

データドリブン アトリビューションの使用中に、過去 30 日間でサポート対象ネットワークでの広告インタラクション数が 2,000 回未満に減少するか、コンバージョン アクションのコンバージョンが 200 回未満になると、このモデルの利用を継続できなくなります。

 

引用:Google広告ヘルプ:データドリブン アトリビューションについて

データドリブンアトリビューションが使用できなくなった場合、自動で線形アトリビューション モデルに切り替わります。
また手動で別のアトリビューションモデルに変更することが可能です。

このように何点か注意点があるため、データドリブン アトリビューションの使用するのが適切なアカウントなのか見極めてから導入しましょう。

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アトリビューションの設定方法

ここまでアトリビューションについてお話ししてきましたが、実際に設定するためにはどうしたらいいのでしょうか。
最後にアトリビューションの設定方法を詳しくお話しします。

 

◆アトリビューションを設定する手順
Google広告のデフォルト設定では「ラストクリックモデル(終点モデル)」が選択されています。
ですので、ここでは既存のアトリビューション モデルを変更する手順をみていきましょう。

《既存のアトリビューション モデルを変更する手順》

1)Google広告にログインする
2)管理画面の右上にある「Google Ads | tools [Icon] 」をクリックし、「測定」→「コンバージョン」をクリックする
3)変更するコンバージョンの名前をクリックする
4)「設定を編集」→「アトリビューション モデル]」をクリックし、変更したいアトリビューションモデルをする
5)最後に「保存」→「完了」をクリックして完了

参照:Google広告ヘルプ:アトリビューション モデルについて

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まとめ

まとめ

インターネットが普及したことで、スマートフォンやパソコンからいつでも知りたい情報が検索できるようになりました。現代において、ユーザーへ認知してもらうきっかけとなり、かつ購買の意思決定に大きな影響を及ぼすWeb広告は重要なツールです。

しかし、Web広告を取り巻く状況の変化は激しく、広告の種類や配信方法が多様化しているだけでなくユーザーの購買プロセスもますます複雑化していくと予想されます。

アトリビューション分析を活用すれば定量的なデータ分析が可能となり、効果的な広告は何なのか、予算をいくら割くべきなのかを適切に判断し、有効な戦略を立てることができます。
「なかなか成果に結びついていない・・」「この広告が成果に貢献しているのか知りたい」という悩みを抱えている方は、アトリビューション分析を活用してみましょう。

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